2009 Fiscal Year Annual Research Report
潜伏感染EBウイルスゲノムの宿主染色体付着の分子機構の解析
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21590523
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
神田 輝 Aichi Cancer Center Research Institute, 腫瘍ウイルス学部, 室長 (50333472)
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Keywords | EBウイルス / 潜伏感染 / EBNA1 / リンパ芽球様細胞株 / エピトープタグ / 免疫沈降 |
Research Abstract |
EBウイルスの潜伏感染状態維持を司るウイルス分子であるEBNA1蛋白質は、宿主因子と相互作用することで、その機能を発揮する可能性が考えられている。そこでFLAGタグ付加EBNA1蛋白質を発現する組換えEBウイルスを作製し、これをヒト末梢血Bリンパ球に感染させることで、FLAGタグ付加EBNA1蛋白質を発現しつつ無限増殖するリンパ芽球様細胞株(lymphoblastoid cell line, LCL)を樹立した。樹立したFLAGタグ付加EBNA1発現LCL(サンプル細胞)の細胞抽出液から抗FLAGタグ抗体ビーズを用いて効率良くEBNA1蛋白質複合体を精製するための実験条件の検討を行なった。その結果、可溶化・抗体ビーズでの免疫沈降・溶出・濃縮という一連の過程が効率化した。得られた免疫沈降物をウエスタン法により解析したところ、EBNA1蛋白質と特異的に相互作用すると報告されているORC2は免疫沈降物中に存在しなかった。一方、免疫沈降物の一部を電気泳動して銀染色を行なったところ、サンプル細胞由来の免疫沈降物中にだけ見られ、コントロール細胞(タグなしEBNA1蛋白質を発現)由来の免疫沈降物中に見られない複数の蛋白質バンドが観察された。これらの蛋白質がEBNA1と相互作用する未知の細胞性因子である可能性が示唆された。
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