2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590529
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
安達 貴弘 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 准教授 (50222625)
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Keywords | B細胞 / IgG / 免疫記憶 |
Research Abstract |
記憶B細胞からの抗体産生には、T細胞と同時に、抗原が必要なことから抗原受容体(BCR)を介したシグナリングがその活性化および形質細胞への分化に重要であると考えられていた。免疫記憶を利用したより効率的なワクチン開発のためにも、記憶B細胞による迅速で強い抗体産生の機序を理解する必要があり、そのためには、IgG陽性細胞の活性化、および形質細胞への分化の分子機構を解明するとともに、微小環境による記憶B細胞や形質細胞の空間的制御の解明を目指した。ニワトリのオボアルブミンを抗原としてマウスに免疫し、記憶免疫応答を誘導後、BCRシグナリングを調べた。マウスから骨髄、脾臓のIgG陽性細胞についてカルシウムイオンの動員、MAPキナーゼの活性化などを指標にして、BCRシグナリングを調べたところ、追加免疫1か月後では恒常的にBCRシグナリンが誘導されていた。3か月後では、ナイーブ細胞と同レベルまで活性化状態が戻っており、in vitroでの抗原刺激により、IgM/IgD陽性のナイーブB細胞とよく似たBCRシグナリングが誘導された。追加免疫後3か月では抗原に反応するB細胞は脾臓のみならず骨髄にも多く存在した。骨髄に存在する抗原によりBCRシグナリングが誘導される細胞は形質細胞の細胞表面マーカーであるCD138は陰性であり、B細胞のマーカーであるB220の発現は不均一であった。これらの結果から、これまで脾臓から同定されていた記憶B細胞のみならず、骨髄のこの細胞画分にも記憶B細胞が含まれていると考えられた。
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Research Products
(2 results)