2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590529
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
安達 貴弘 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 准教授 (50222625)
|
Keywords | 免疫記憶 / シグナル伝達 / B細胞 / カルシウムシグナル / 抗原受容体 / 抗体 / 免疫グロブリン |
Research Abstract |
記憶B細胞からの抗体産生には、T細胞と同時に、抗原が必要なことからBCRシグナリングがその活性化および形質細胞への分化に重要であると考えられている。記憶B細胞による迅速で強い抗体産生の機序はよくわかっておらず、IgG陽性細胞の活性化、および形質細胞への分化の分子機構、および微小環境による記憶B細胞や形質細胞の空間的制御の解明を目的とし、以下のような成果を得た。 I.IgG陽性細胞のin vitroでの活性化の解析 IgG陽性細胞(記憶B細胞、長寿命形質細胞)を免疫した正常マウスから分離し、これらの細胞集団について抗原刺激によるシグナル分子の活性化を調べ、特に骨髄に抗原刺激によりシグナル分子の活性化が起こり、長寿命形質細胞へ分化すると推測される亜集団があることを見出した。 II.cameleonトランスジェニックマウスを用いたIgG陽性細胞のin vivoでの活性化の解析 B細胞のシグナリングを評価するものの1つとしてカルシウムイオンの動員が測定できるように、蛋白性カルシウムプローブcameleonをCre組換え酵素を利用して誘導的に発現することができるコンストラクトを導入した組換えマウスを作製した。さらに、CD19-Creマウスを交配させることによりB細胞特異的にcameleonを発現するマウスを樹立した。このマウスから脾臓B細胞を分離し、フローサイトメーターを用いて、抗原受容体架橋によるカルシウムイオンの動員が測定できる系を構築した。また、生体イメージングにより、脾臓内のB細胞でカルシウムイオンの動員を検出する系を構築し、免疫後増殖したと推測される細胞集団の一部の細胞でカルシウムイオンの動員がみられた。今後どのようなB細胞でカルシウムイオンの動員が起こっているか明らかにする必要がある。
|