2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590530
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
竹下 敏一 信州大学, 医学部, 教授 (60212023)
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Keywords | サイトカイン受容体 / エンドソーム / 小胞輸送 / ユビキチン / 小胞輸送シグナル |
Research Abstract |
免疫系や神経系では、細胞内の高度に分化した区画を維持しながら、かつ綿密にその区画間の連絡を行っている。この困難な機能が破綻無く働いている背景に、この機能を支えている小胞輸送の存在がある。小胞輸送は従来考えられていたより多くの、分子や分子群が関与する複雑な機構であることが分かってきた。その機構の鍵となる分子はユビキチンであり、輸送される受容体等にユビキチンが付加されて、輸送の目印となる。本研究ではサイトカイン受容体を例に取り、未だ不明な点の多い小胞輸送機構を明らかにすることによって、免疫機構解析の基盤とする。我々はインターロイキン2受容体β鎖(IL-2Rβ)がユビキチン非依存に小胞輸送されること、また、この輸送にユビキチン依存性小胞輸送の中心的な分子であるHrsが関わることを明らかにした。Hrsは非ユビキチン的にIL-2Rβの細胞内領域に結合して機能する。さらにIL-4Rα鎖が同じ輸送系の分子である事を見いだし、IL-4RαとIL-2Rβの細胞質領域にあるHrs結合領域、即ち、輸送シグナルを同定した。両受容体のHrs結合領域(輸送シグナル)は疎水性アミノ酸クラスターを形成していた。そのアミノ酸配列はIL-2Rβはアミノ酸336-338(FFFHL)、IL-4Rαはアミノ酸410-415(LFLDLL)であった。本研究では、この領域を欠失させたIL-4RαならびIL-2Rβの小胞輸送異常について検討を加えた。これらの疎水性アミノ酸クラスターを欠失した変異体は、LAMP1陽性後期エンドソームへの輸送が阻害され、LBPA陽性エンドソームに多く留まっていることが観察された。これまでLBPA陽性エンドソームの位置づけは議論のあるところであったが、我々の結果はLBPA陽性エンドソームがLAMP1陽性後期エンドソームの前段階に位置することを示唆し、さらにこの疎水性アミノ酸クラスターがLAMP1陽性後期エンドソームへの小胞輸送に重要であることを示唆した。このことはこの変異受容体のリソソーム分解が阻害されていたことによっても支持された。
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Research Products
(2 results)