2011 Fiscal Year Annual Research Report
鍼灸マッサージ療法に対する受療行動と金銭負担等の意識に関する調査
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21590552
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
藤井 亮輔 筑波技術大学, 保健科学部, 准教授 (70352565)
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Keywords | 鍼灸 / あん摩マッサージ指圧 / 国民 / 受療行動 |
Research Abstract |
本研究は、平成21年度から3ヵ年計画で、鍼灸マッサージに係る国民の受療行動等を把握し今後の地域医療施策の基礎資料に資する目的で実施された。初年度は、層化した全国157市町村・地点の住民基本台帳から比例抽出した成人2,000人の自宅を調査員が訪問し、直接手渡した調査票をその場で回収する方法で調査を実施した。回収標本は1,362人(68.1%)だった。2年目は回収された調査票の単純集計を行い中間報告書としてまとめた。最終年度に当たる平成23年度はクロス集計を行い解析結果(下記)を論文にまとめ関係学会等に発表する計画であった。 【主な解析結果】 1.調査結果の信頼性:回収標本の属性(男女比、年代階級別人口等)を国政調査値と比較した結果、標本はおおむね小さい偏りで回収されていた。しかし、その規模が母集団(1億420万人)の約7万分の1にすぎず、結果(推定)の統計的な正確度の点では一定の限界性は否めない。 2.鍼灸受療率:2009年末における年間の鍼灸受療率を9.5%と推計した。この数値は、過去に行われたYamashitaらの報告(2001)にある受療率を2.8ポイント、また、石崎らの報告(2003)を3.1ポイントそれぞれ上回っており、この間の鍼灸受療率の増加傾向を伺わせるデータとして興味深い。 しかしながら、この率の内訳(月内・年内別)を比較可能な石崎らの報告と比べてみると9.5%のうち、現在受けている月内受療者の割合は2.2%で石崎らの報告(2,5%)を0.3ポイント下回った一方で、年内に受けた経験のある者の割合は7。3%で同報告より3,4ポイント高い。このことから、上で述べた2ポイントの増加分が必ずしも鍼灸の普及度を示しているとは言い難い。
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Research Products
(1 results)