2009 Fiscal Year Annual Research Report
急性冠症候群発症におけるヘリコバクター・ピロリ感染症の関与とその機序
Project/Area Number |
21590629
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
杉浦 哲朗 Kochi University, 教育研究部・医療学系, 教授 (50171145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
公文 義雄 高知大学, 教育研究部・医療学系, 准教授 (40215033)
竹内 啓晃 高知大学, 教育研究部・医療学系, 講師 (90346560)
高田 淳 高知大学, 教育研究部・医療学系, 教授 (90206748)
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Keywords | 急性冠症候群 / 血小板凝集・活性化 / ヘリコバクター・ピロリ / 菌体膜蛋白 / 作製抗体(抗lpp20抗体) |
Research Abstract |
血小板凝集・活性化を病態に有する急性冠症候群の発症機序におけるヘリコバクター・ピロリ菌(感染)の関与を解明するため、先ず血小板凝集・活性化を誘導するピロリ菌体成分の同定を試みた。その結果、幾つかの菌体遺伝子(蛋白)を見出し、その1つHpLMP(低分子蛋白)で菌体細胞膜の構成成分である膜蛋白を同定した。そこで、本成分が急性冠症候群患者の血中あるいはプラークから検出できるか否かを検証するために、Hisとのリコンビナント融合蛋白(lpp-His蛋白)を作製し、ウサギに免疫後(約3ヶ月)、抗体価の上昇を確認後に全採血した。そしてIgGを精製してポリクローナルな抗HpLMP抗体(抗lpp抗体)を得た。抗lpp抗体の特異的反応性を免疫沈降を伴うウエスタンブロット(WB)で確認した。免疫沈降は血小板とlpp-His蛋白を反応後に抗血小板抗体で沈降し、抗lpp抗体を使用して解析した(抗His抗体で確認)。結果は良好で作製した抗lpp抗体は目的蛋白であるHpLMPと反応し他成分との交差反応は殆ど認めなかった。これは、目的蛋白HpLMPが血小板に結合する再確認ともなった。今後はピロリ菌株間での本蛋白の検出(発現量の相違を含む)を抗lpp抗体で検証し、さらには本抗体での血小板凝集阻害効果を評価する予定である。本研究における患者検体の採取と使用に関しては高知大学倫理審査委員会で承認を得て、現在は関連病院等から集積中である。
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Research Products
(23 results)