2009 Fiscal Year Annual Research Report
分子標的診断を目指した高感度蛋白プロファイリング技術の確立
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21590645
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
森實 芳仁 Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (00466210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝崎 太 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 副参事研究員 (90300954)
黒井 克昌 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (30231301)
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Keywords | トランスレーショナルリサーチ / 臨床 / 癌 / バイオマーカー / 診断 |
Research Abstract |
本年度では主に、新規診断法確立のための超高感度同時多項目測定法(MUSTag法)の改良、および民間企業との共同研究による新たな診断機器の開発に取り組んだ。 1.MUSTagアッセイ用検出機器・解析ソフトの共同開発 トラストメディカル(株)との新規超高速PCR機器の開発により、従来90分程度かかっていたリアルタイムPCR反応を3~15分で行う事が可能になり、MSTagアッセイに要する時間の飛躍的な短縮が実現した。また、本機器は通常のDNA・RNA増幅検出にも使用可能であり、特に迅速な判定が必要な感染症における遺伝子診断への応用にも大きな可能性を秘めている。現状では同時に処理可能な検体数が少なく、MUSTagアッセイでの検出機器として用いるにはまだ実用的ではないが、まずはインフルエンザの遺伝子診断用機器としての実用化を目指しつつ、大規模臨床治験にも耐えうる処理能力を持つ機器の完成を最終的な目標としている。 2.アッセイ法の改良(高感度化・簡便化・高速化) 従来のイムノプレート上でのアッセイ法に替えて、磁気ビーズを抗体の固相担体に用いるMUSTagアッセイ系の開発により、最大10倍程度の高感度化が得られた他、既存の自動洗浄機との組み合わせによるアッセイ手順の簡便化・高速化(最大1時間の短縮)にも成功した。現状ではイムノプレートの系と比較して測定誤差がやや大きくなる傾向がある為、次年度以降は誤差の低減を目標にアッセイ系の最適化を行いつつ、自動化やマルチプレックス測定への応用を目指す予定である。 3.血清サンプルを用いたアッセイ系の確立 測定検体に血清サンプルを用いた場合においても、適切な前処理操作を行う事で血清成分による測定系への影響をほぼ無視できるレベルに低減できる事が確認された。今後は実用化を想定して前処理法の簡便化を目指しつつ、臨床検体を用いた小規模なアッセイを開始する予定である。
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Research Products
(10 results)