2011 Fiscal Year Annual Research Report
組織改革(吸収合併)が従業員の心身に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
21590649
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
井上 和男 帝京大学, 医学部, 教授 (70275709)
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Keywords | 組織改革 / 吸収合併 / 人員整理 / 健康関連行動 / 横断的調査 |
Research Abstract |
文書上の合併が行われた2008年、実際に合併側事業所新工場に被吸収側事業所従業員が移動した2009年、そしてその1年後の2010年の、吸収合併前後の3年間にわたる従業員の動向を横断的に調査した。(被吸収側をH、合併側をGと略記する。) 1、従業員の動向 (1)、2008年の横断的分析 受診者数は合計で531名、内訳はH事業所259名(48.8%)G事業所279名(51.2%)でと、人数ではほぼ「対等合併」であった。性別は、H事業所が女性127名(49.0%)、男性132名(51.0%)とほぼ同じであったのに対し、G事業所は各々60名(22.1%)、212名(77.9%)と男性が3/4以上を占めた。 (2)、3年間の縦断的分析 全体では従業員数は2008→2009→2010年で、531名→448名(84.4%)→330名(62.1%)と1年でほぼ20%近い減少があった。減少数は201名であったが、H事業所女性従業員が全体の減少の44%を占めている。2008年から2010年での従業員数減少率は、H事業所従業員では女性30.7%、男性59.1%で、G事業所従業員では女性65.0%、男性82.1%であった。 2、健康関連行動 生活習慣の問診項目では、いくつかの項目で事業所間で差異がみられた。しかし、ストレスと関連すると考えられる行動には差異がみられなかった。 今回の横断的分析結果より、以下が推察された。 (1)、全体としての人員整理の影響は被吸収事業所従業員が強く受ける。 (2)、吸収合併による人員整理は、若い年代の被吸収事業所の女性従業員に他よりも強く反映する。 (3)、今回のような数の上での対等吸収合併では、被吸収側従業員への影響は少なくとも2年と言う短期間では少ない。 (4)、分析できた従業員は、被吸収側でも同一市町村内での合併事業所に勤務しており、日常生活への影響は少なかった。
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Research Products
(1 results)