2010 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性皮膚炎予防の環境要因と遺伝要因の交互作用解明に関する前向きコホート研究
Project/Area Number |
21590673
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
三宅 吉博 福岡大学, 医学部, 准教授 (50330246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 景子 福岡大学, 医学部, 講師 (40341432)
清原 千香子 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (00169963)
佐々木 敏 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70275121)
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Keywords | 社会医学 / 分子遺伝疫学 / 前向きコホート研究 / アレルギー・ぜんそく / 交互作用 / アトピー性皮膚炎 / リスク要因 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
平成19年度よりアトピー性皮膚炎の発症関連要因及び予防要因解明を目的として、二世代継続前向きコホート研究である「九州・沖縄母子保健研究」を開始した。ベースライン調査、出生時、生後4ヶ月時、1歳時追跡調査にそれぞれ1,757、1,591、1,482、1,434組の母子が参加した。平成21年7月から開始した2歳時追跡調査を継続中であり、平成22年7月より3歳時追跡調査を実施している。 現時点で、4編の論文を投稿している。ベースラインデータを活用し、妊婦における兄弟数とアレルギー疾患有症率との関連を調べた。年上兄弟数とアレルギー性鼻炎との間に有意な負の関連を認めたが、喘息、アトピー性皮膚炎とは関連がなかった。妊婦における乳製品、カルシウム、ビタミンD摂取との関連については、喘息有症率のみカルシウム摂取と有意な負の関連を認めた。妊婦においてアトピー性皮膚炎の症例対照研究を設定し、IL13遺伝子多型rs1800925とrs20541との関連を調べた。Rs1800925のCC遺伝子型に比較し、マイナーTT遺伝子型では有意な正の関連を認めた。また、CT+TT遺伝子型と喫煙との間に有意なadditive interactionを認め、生物学的な交互作用が示唆された。Rs20541遺伝子型とアトピー性皮膚炎との間に有意な関連は認めなかった。124名の母親から母乳検体を得、4種の化学物質を測定した。β-HCH濃度を中間値で2群に分けると、高値群ではアトピー性皮膚炎有症率と有意な負の関連を認めた。HCB、DDE、nonachlordaneとは関連がなかった。 以上が平成22年度における研究成果である。今後はADAM33等、遺伝子多型の解析を進めつつ、栄養等の環境要因との関連の解析も進める。さらに、追跡調査のデータも採用し、生まれた子のアトピー発症と妊娠前後の環境要因及び遺伝要因との関連を解析する。
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Research Products
(22 results)