2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590685
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
佐藤 美理 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (10535602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山縣 然太朗 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (10210337)
鈴木 孝太 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (90402081)
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Keywords | 公衆衛生 / メンタルヘルス / 思春期 |
Research Abstract |
我が国では、近年ようやく小児のうつ病に関する認識が高まり、研究が行われるようになってきている。しかしながら、縦断的な研究はほとんど見当たらない。わが国の成人のうつ病の罹患率の高さを考えると成人での発症につながる小児のうつ病に関する検討は大変重要である。 本研究では、コミュニティベースにおいて、小学校4年生から中学校3年生約2000人のメンタルヘルスに関する調査を3年間行った。また同時に生活習慣に関する質問、身長体重などのデータの抽出も行った。抑うつ症状については、海外で使用されており日本語版化されているBirleson depression self-rating scale for children (DSRS-C)を用いた。3年間の調査の結果、中学生において、抑うつ症状を有する児は、10-20%存在し、学年が上がるに従って増加し、また、男子より女子の方が高い傾向にあった。これらは、日本で実施された郵送法による調査や欧米の先行研究での結果と同様の傾向であった。抑うつ症状に関連する因子としては、ボディイメージ、体型、運動などであった。 また、思春期のメンタルヘルスにおいて、抑うつ症状とともに、起立性調節障害の症状を持つ児が増加していることも懸念されている。これは、症状が抑うつ症状と判別が難しく、午前中の調子の悪さや不定愁訴などが主症状である。本調査では、起立性調節障害の診断の際に使用されている問診項目を使用して、症状の有無の判定を行った。3年間の結果によると顕著な増加は見られないものの増加傾向にあり、引き続き調査を実施する必要性がある。
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