2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590686
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
井奈波 良一 岐阜大学, 医学系研究科, 准教授 (10168411)
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Keywords | 社会医学 / ストレス / 産業衛生 |
Research Abstract |
医療従事者の職業性ストレスの現状を明らかにし、その対策を立案する目的で、本学医学部卒業の1年目研修医、1公立病院と1私立大学病院の研修医以外の勤務医および1民間病院の看護師を対象に職業性ストレス、勤務状況、燃え尽き状況、ストレス対処行動等に関するアンケート調査を積み上げた。1公立病院の研修医以外の男性勤務医を対象に、バーンアウト者が考える医師の健康支援策の必要性について検討し、バーンアウト群の「掲示板・診療スケジュール板などを活用し、必要な情報が全員に正しく伝わるようにする」の得点は、非バーンアウト群より有意に低かった。また、「同僚間で問題点を共有しあい、相談し合えるようにする」、「治療方針や業務の進め方について、関係者が短時間のミーティングを定期的に行う」、「病院の運営方針が周知され、その意志決定に医師が関われるようにする」の得点も、バーンアウト群が非バーンアウト群より有意ではないが低かった。この問題については例数を増やしてさらに検討する必要がある。次に、1民間病院の女性看護師を対象に、経験年数1年未満と1年以上の女性看護師のバーンアウトに関連する職業性ストレスの相違を検討した結果、経験年数1年以上の群では、経験年数1年未満の群と異なり、バーンアウト群が非バーンアウト群より「職場環境によるストレス」だけでなく「心理的な仕事の負担(量)」、「職場の対人関係でのストレス」およびの素点平均が有意に高く、「仕事のコントロール度」および「働きがい」だけでなく「技能の活用度」および「仕事の適性度」の素点平均が有意に低かった。さらにストレス緩和因子に関しても、バーンアウト群が非バーンアウト群より「上司」、「同僚」、「医師以外の医療専門職種従事者」および「家族や友人」からのサポートの素点平均が有意に低かった。
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Research Products
(3 results)