2010 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害児童の両親および学校教職員の精神的ストレス軽減のための介入的アプローチ
Project/Area Number |
21590709
|
Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
吉益 光一 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (40382337)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 和久 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50124889)
福元 仁 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (30511555)
竹村 重輝 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (70511559)
|
Keywords | マインドフルネス / 発達障害 / 心理的介入 |
Research Abstract |
研究代表者の留学先の事情および代表者自身の健康上の問題により、当年度の研究の開始が当初予定より6か月遅延し、平成22年11月となった。当初の予定に照らして、平成22年度はストレス低減のためのマインドフルネス・ストレス低減法に基づく介入セミナーを、発達障害児童の親22名、および特別支援学校の教員17名を対象に、事前の精神科簡易構造化面接を経て、平成23年7月~8月にかけてそれぞれ計3回実施した。これらのセミナーは全て連携研究者の大賀英史が担当した。親および教員の精神的ストレスの評価法として、不安に対してはSTAI、抑うつに対してはCES-D、主観的QOLに関してはSF-8の各評価尺度を用いた。さらに子どもの問題行動が親の精神的ストレスの増幅要因であることが推定されたため、セミナーに先立ち、子供の問題行動評価尺度CBCLを、母親を対象に実施した。セミナーの欠席者に対応するために、セミナーの模様は全て録画し、出席者も含めて全員にDVDを配付した。またセミナー終了後9月より、定期的に大賀より希望者に対して、セミナーの内容を復習するためのメールを配信するとともに、セミナーの要旨をまとめたホームページを作成し、復習メールの内容も逐次このホームページに盛り込むようにして、可能な限り多くの者がセミナーの内容を日常生活に取り入れられるように工夫した。 [平成23年9月までの結果] 1.事前調査において、子供の問題行動の程度は母親の抑うつ(相関係数0.49)および不安(同0.55)の重症度と有意、もしくは有意に近い関連性を示した。 2.子供の問題行動の中では、攻撃的・非行的行動が母親の不安および抑うつと特に強い関連性を示した(相関係数0.6以上) 3.セミナー開始後、平成23年9月末までの時点で、心理テストに返答があった親または教員において、不安、抑うつ、および主観的QOLに有意な改善は認められなかった。
|