2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590746
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
大澤 資樹 東海大学, 医学部, 教授 (90213686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 亮介 琉球大学, 亜熱帯島嶼科学超域研究推進機構, 特命准教授 (00453712)
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Keywords | 親子鑑定 / 遺伝子 / SNP / マイクロアレイ |
Research Abstract |
DNA鑑定は、個人識別・親子鑑定の目的に実施され、これまでPCR反応を利用したフラグメント解析が中心となって展開してきた。ABI社製AmpFlSTR Identifierシステムに含まれる15STR座位を利用した時に、任意の二者間でどこまで有意に血縁関係が判定可能なのかについて昨年度まで検討を加えた。解析する座位数が限られることから、同胞間においてすら3割程度は有意な判定に至らない結果となり、親子関係以外の血縁関係判定について十分な識別能力を発揮するには及んでいないことを示し、論文にまとめている。本年度からは、1塩基多型(SNP)をマイクロアレイ解析から得る実験系を確立し、大量データからの血縁関係証明法の検討に展開した。血縁関係を示す指数としては、STRに関しては、各座位における尤度比の積を用いることができるが、SNPに関しては、対立遺伝子が二つであることから尤度比の上昇は期待できず、血縁関係を仮定した時のIBD平均値を指標とする方が適当である。すなわち、親子・同胞関では0.5、半同胞・祖父母・伯父叔母とった第二血族では0.25、いとこ間では0.125の数値が期待できる。連鎖不均衡値(r)に関しては、個々の座位間で実測値を用いていたのでは、膨大な組み合わせの処理が困難であることから、平均的な想定値を仮定するとするならば、r値は0.1程度が適当と判断した。どの程度のSNP数を解析すれば、非血縁者と十分な分離ができるのか調べたところ、親子で100座位、同胞で1000座位、第二血族で3000座位以上程度となった。今後は、解析座位数を減らす目的で、r値を染色体毎にまとめて仮定する方法を試みるとともに、ヘテロ接合度が高く人種間で変動の少ない座位を具体的に選定してゆく必要があると考えている。
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Research Products
(3 results)