2009 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌特異的に抗がん剤を送達する新規システムの開発
Project/Area Number |
21590818
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 康史 Sapporo Medical University, 医学部, 講師 (80343383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧本 理修 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10336399)
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Keywords | 癌 / 糖鎖 |
Research Abstract |
大腸がんの治療法は近年著しく進歩したが、依然として難治性癌で一つあり極めて予後は不良であるため、現在、手術不能大腸がんに対する新規がん薬物療法が期待されている。がん薬物療法の治療成績が不良である原因として、抗がん剤のがん細胞における血中濃度が不十分であること、即ち特異的ながん細胞へのDDSが確立されていないことが考えられる。 本研究では大腸癌細胞において要求度の高いF分子に着目し、F分子結合型リボゾームを開発し抗がん剤を内包化することで、大腸がん細胞特異的に薬剤を送達し、より効果の高く有害事象の少ない細胞標的治療を開発することを計画した。 平成21年度は、F分子結合型リボゾームの作製を試みると同時に、in vitroでの検証を進めた。具体的には大腸がん細胞株の腫瘍マーカーを測定しF分子要求度を検証し、F分子の発現をRT-PCR,ウェスタンブロットなどにより検討した。さらにF分子結合型リボゾームを作製しF分子の結合率と大腸がん細胞株への導入効率を比較検討し、最も効率的なF分子結合リボゾームを決定した。 このプロトタイプのF分子結合型リボゾームに種々の抗がん剤(5FU、CDDPなど)を封入し、これらの薬剤の封入効率を検討しつつ、in vitroでの各種大腸がん細胞に対する抗腫瘍活性を検証している。また、作製したプロトタイプF分子結合型リボゾームに標識化合物(siRNA, plasmid DNA)封入し、大腸がん担癌マウスに投与して、in vivoでの送達性も検証している。
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