2009 Fiscal Year Annual Research Report
HCV蛋白とインターフェロン系との相互作用のFRET/BRET解析
Project/Area Number |
21590831
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
藤田 めぐみ (田坂 めぐみ) Tokyo Medical and Dental University, 医歯学総合研究科, メディカルフェロー (50510369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 直哉 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 寄附講座准教授 (10334418)
東 正新 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (10376783)
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Keywords | Cardif / RIG-I / HCV-NS4B / 生体発光共鳴エネルギー転移(Bioliminescence Resonance Energy ransfer) |
Research Abstract |
申請者の研究室で開発したHCV増殖・培養細胞系を用いて病原体侵入により惹起されるIFN産生系を抑制する蛋白NS4Bの分子間相互作用の解析を進める事を目的として研究を進め以下の結果を得た。 1)既報の5カ所の膜貫通ドメインに従ってHCV-NS4Bを様々な長さにtruncateしたplasmidを構築し、構築した欠失NS4BプラスミドをCardifまたはRIG-I発現プラスミドと共にHuh7細胞で強制発現させ、IFN-βプロモーター・リポーター、及びISRE-リポータープラスミドを用いてIFN発現レベルを定量した。NS4Bのfull lengthのコンストラクトではISRE活性化は11%まで抑制され、これにつぐ抑制がNS4Bt1-156,1-186,131-260でそれぞれ50%程度みられた。抑制が見られなかったコンストラクトはN末端側を削った90-260,110-260で、これらの結果からISRE活性の抑制に関与する部位は、90-260,110-260に共通して欠けている構造、即ちNS4B1-90に至るN末端が抑制に関与している事が示唆された。また、1-156,1-186,でも50%と僅かながらも抑制がとれており、C末端の抑制への関与も示唆された。 2)HCV-NS4BとCardifの局在と小胞体膜との位置関係を解析するべく免疫染色を行った。NS4B発現プラスミドとCardif発現プラスミドをHuh7細胞に遺伝子導入し、一次抗体としてそれぞれマウス抗Myc抗体、ラビット抗Flag抗体、二次抗体としてそれぞれマウス、ラビットに対する蛍光色素で標識した抗体を用いて染色したところ、共局在している部分を認めた。以上の結果よりNS4BとCardifが小胞体膜上での共局在が示唆された。生体発光共鳴エネルギー転移(Bioliminescence Resonance Energy ransfer)は生細胞を用いてタンパク質相互作用の時間的・空間的な変化を比較的用意に可視化出来る方法で、この手法を用いてHCV-NS4BとCardifの相互作用の解析を目的にRluc,GFPとの融合蛋白を作成した。 以上より、NS4B蛋白はCardifまたはその直下のシグナルを抑制し、生体におけるウイルス持続感染に関与していると考えられる。IFN産生抑制に関わるNS4Bの機能ドメインを特定した。これらの経路に関連する分子・蛋白エピトープを治療標的とすることがHCVの病態制御に結びつくと考えられる。
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Research Products
(3 results)