2010 Fiscal Year Annual Research Report
肝癌由来増殖因子の発現制御およびシグナル伝達調節による肝癌増殖制御法の開発
Project/Area Number |
21590863
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
榎本 平之 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (40449880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今西 宏安 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (60340957)
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Keywords | HDGF / 肝細胞癌 / 細胞増殖 / ELISA / 血管新生 / シグナル伝達 / 腫瘍マーカー / 診断 |
Research Abstract |
(1) HDGFの発現抑制promoter領域の解析:VitKとインターフェロンによるHDGF promoter抑制効果を報告しているが、更にレチノイドによる活性抑制の可能性を示唆する結果を得た。HDGFの抑制による癌細胞増殖抑制の治療への検討に重要である。(2) HDGFの受容体結合部位の解析:HDGF受容体蛋白を高発現する細胞を用い、HDGFタンパクのN末端側領域が結合候補部位である結果を得た。(3) HDGF受容体の肝癌における発現の解析:HDGF受容体候補蛋白の抗体を用い、ヒト肝癌組織の癌部・非癌部癌における発現を検討した。癌部での発現上昇がみられ、更に症例を増やして解析中である。(4) HDGF受容体候補蛋白のpromoter領域の解析:HDGF受容体候補蛋白のpromoter領域のクローニングを行い、引き続き同部位の活性化に関して検討中である。(5) HDGF発現抑制による肝癌のin vivo増殖抑制と関連する遺伝子発現の変化の解析:HDGFノックダウン細胞ではコントロール細胞に比してヌードマウスへの移植によるin vivoでの腫瘍形成・増大の速度が抑制された。またHDGFの標的遺伝子候補としてPDGF, Tie-1を同定した。(6) HDGFリン酸化による癌細胞の増殖能の功in vivoにおける解析:HDGFリン酸化部位を変異させた変異HDGFの遺伝子を導入し、高発現する細胞の種類を増やしている。(7) 肝癌患者血漿中のHDGF濃度と肝発癌および肝癌再発との関連性の解析:血漿HDGF値は肝癌の腫瘍径と相関し、HDGF陽性(0.3ng/ml以上)症例では肝癌局所治療後の再発率が高値であることを報告した。一方で血漿HDGF値はAFP, PIVKA-II, AFP-L3分画とは相関しないことも明らかにし、血中HDGF濃度測定は新たな腫瘍マーカーとして、肝癌の診断や治療に有用である可能性を示した。
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Research Products
(9 results)