2011 Fiscal Year Annual Research Report
炎症をターゲットとした糖尿病性腎症に対する新規治療法の開発
Project/Area Number |
21591031
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
四方 賢一 岡山大学, 大学病院, 教授 (00243452)
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Keywords | 糖尿病性腎症 / 糖尿病性腎症 / microinflammation / osteopontin / cholecystokinin / 炎症 |
Research Abstract |
糖尿病性腎症は、わが国における慢性血液透析導入の最大の原因疾患であり、腎症の成因を解明して新しい治療手段を開発することが重要な課題となっている。我々は過去の一連の研究によって、糖尿病性腎症の成因に炎症が関与していることを明らかにしてきた。我々はさらに、炎症が動脈硬化と腎症の共通の進展メカニズムの一つであることを明らかにした。糖尿病性腎症で見られる「炎症」は、関節リウマチなどの炎症性疾患に見られる炎症と比較すると臨床的にも組織学的にも軽微なものであり、動脈硬化の成因に関与するmicroinflammation(微小炎症)と共通した特徴を持つと考えられる。本研究の目的は、糖尿病性腎症の成因に関与する炎症関連分子を探索するとともに、microinflammationをターゲットとした腎症の新しい治療法を開発することである。ICAM-1ノックアウトマウスと野生型マウスに糖尿病を惹起して、腎組織における遺伝子発現プロファイルをDNAマイクロアレイを用いて比較し、糖尿病性腎症の発症に関わる炎症関連遺伝子をスクリーニングした結果、osteopontinやcholecystokinin(CCK)が候補分子として抽出された。本研究では、oeteopontinとCCK受容体のノックアウトマウスに糖尿病を惹起して、腎障害の進展を野生型マウスと比較解析することにより、これらの分子が糖尿病性腎症の新規治療ターゲットとなる可能性を検証した。その結果、Osteopontinノックアウトマウスでは、腎障害の進展が抑制され、CCK受容体ノックアウトマウスでは腎障害がさらに進展した。さらにCCK peptideの投与によって腎障害が抑制されたことから、CCK peptideが糖尿病性腎症の新たな治療薬として有望であることが確認された。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Glucagon-like peptide-1 receptor agonist ameliorates renal injury through its anti-inflammatory action without lowering blood glucose level in a rat model of type 1 diabetes2011
Author(s)
Kodera R, Shikata K, Kataoka HU, Takatsuka T, Miyamoto S, Sasaki M, Kajitani N, Nishishita S, Sarai K, Hirota D, Sato C, Ogawa D, Makino H
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Journal Title
Diabetologia
Volume: 54
Pages: 965-978
Peer Reviewed
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