2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規ポドサイト膜糖蛋白Tpbgの機能解析および新規腎炎治療の探索
Project/Area Number |
21591032
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松浦 元一 徳島大学, 病院, 医員 (10403734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨永 辰也 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (80425446)
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Keywords | Tpbg / 糸球体腎炎 / アクチン骨格 / TGFβ / 抗体治療 |
Research Abstract |
(1)Tpbgによるアクチン骨格リモデリング制御機構の解析、結合分子同定 Tpbgは細胞外ドメインにLeucin-Rich Repeat(LRR)と呼ばれるモチーフを有し、チロシンキナーゼ型受容体や細胞接着因子、細胞外基質結合蛋白などにこの構造が認められたため、リガンドの候補を同定するために、腎炎に関与すると考えられるTGFβ、PDGF、IL6などさまざまなサイトカイン類を培養ポドサイトに投与した。これらのうちでは高濃度(50ng/ml)のTGFβによって、アクチン骨格のdearragementが確認された。また、腎炎患者の血清を用い、同様の検討を加えたところ、一部の高い活動性を有する患者の血清サンプルにおいて同様の細胞骨格の異常が確認できた。これら血清刺激時にTGFβ中和抗体を投与しても、その阻害効果は部分的なものであり、TGFβシグナル以外にも、LRRモチーフによりIntegrinなどと同様に細胞外からの情報を細胞内に伝達している径路が存在すると考えられた。糸球体基底膜はIV型コラーゲンやラミニンなど複数の細胞外基質より構成されており、これちのfragmentがTpbgのリガンドであると考えられたが、様々な基質でコーティングしたディッシュ上にポ.ドサイトを培養しても、同様の細胞骨格の異常は再現できず、未知のfragmentが腎炎による病変形成に寄与していると考えられた。 (2)ヒト腎炎組織を用いたTpbg発現解析 ヒト腎炎の組織ナンプルを用いた免疫組織化学的解析では、やはりTpbgの発現はポドサイトに特有であり、腎炎の活動性とTpbgの発現量は逆相関を示していた。 (3)抗Tpbg抗体による障害ポドサイト治療の探索 抗Tpbg抗体を3種類、作成し、Thy1腎炎ラットに投与したところ、短期投与においてタンパク尿の減少を認めた。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Trophoblast glycoprotein regulates the podocyte injuries in experimental glomerulonephritis2011
Author(s)
Murakami T, Abe H, Nagai K, Tominaga T, Matsuura M, Kishi S, Kishi F, Yoshikawa K, Kondo N, Jeffrey Kopp, Doi T
Organizer
World Congress of Nephrology 2011
Place of Presentation
Vancouver, Canada
Year and Date
20110408-12