2010 Fiscal Year Annual Research Report
神経変性疾患原因蛋白の相互作用、翻訳後修飾、細胞内局在の検討と治療的応用
Project/Area Number |
21591097
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
平野 牧人 近畿大学, 医学部附属病院, 准教授 (50347548)
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Keywords | 翻訳後修復 / 神経変性疾患 / 蛋白相互作用 / 細胞内局在 |
Research Abstract |
本研究の目的は、種々の神経変性疾患原因蛋白同士の相互作用、翻訳後修飾、細胞内局在を検討することである。翻訳後修飾はユビキチン化とリン酸化を対象とする。昨年度はユビキチンE3リガーゼであるParkin関連パーキンソン病患者線維芽細胞において、酸化ストレス下で細胞死が誘導されること、それがDNA損傷蓄積を伴うことを見出し報告した(Biochem Biophys Res Commun 2010;391:800)。今年度はリン酸化酵素であり、家族性パーキンソン病の原因であるPINK1に注目した。この蛋白はミトコンドリア異常に伴う細胞障害に関して、パーキンの上流に位置するが、PINK1の量的変化がパーキンの量的変化と平行することをパーキンの患者細胞において発見した。現在、蛋白相互作用によるかパーキンの発現調整によるかを検討している。 また、昨年度、常染色体優性遺伝小脳失調症14型の原因遺伝子protein kinase Cγが常染色体劣性遺伝小脳失調症の原因遺伝子アプラタキシンのリン酸化を亢進し、核内輸送を妨げ、結果としてDNA修復蛋白でもあるアプラタキシンの核内欠乏を来たすことで、DNA損傷が蓄積し神経細胞の障害が生じることを証明した(Hum Mol Genet 2009;18:3533)。今年度は、アプラタキシンの複数のリン酸化部位をアラニン(不活性化)やグルタミン(擬似リン酸化)に置換したタンパクの局在を観察した。アプラタキシンの核内移行はリン酸化部位の不活化により促進され、擬似リン酸化により阻害されることを確認した。また、リン酸化アプラタキシンに対する特異的抗体を作製・解析した。線維芽細胞のウエスタンブロットにおいて、軽度高分子側にシフトしたバンドが観察された。今後、種々の細胞におけるリン酸化蛋白の局在などを検討している。
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Research Products
(12 results)