2011 Fiscal Year Annual Research Report
相互作用解析と発現解析による2型糖尿病遺伝素因の解明
Project/Area Number |
21591124
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
原 一雄 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (50359600)
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Keywords | 遺伝子発現 / 脂肪細胞 / メタボリックシンドローム |
Research Abstract |
今年度は計167名から皮下脂肪と内臓脂肪のペアを収集し、網羅的遺伝子発現解析を実施した。脂肪組織におけるレプチン遺伝子発現は年齢・性別で調整した後にBMIとは正の相関を、アディポネクチン遺伝子発現とは負の相関を認め、前年度までに得られた皮下脂肪・内臓脂肪のセットにおいても同様の傾向を認め再現性についても確認された。皮下脂肪と内臓脂肪における遺伝子発現は主成分分析によって明確に分かれることから、遺伝子発現解析によってそのサンプルが皮下脂肪か内臓脂肪であるかが判別可能であり、こちらも前年度までに得られたセットにおける結果と合致しており再現性について確認された。皮下脂肪と内臓脂肪で発現レベルが5倍以上、p値で10<-5>未満と有意に異なっている遺伝子が複数認められた。内臓脂肪と皮下脂肪で遺伝子発現が異なっている遺伝子についてパスウェイ解析やGene Set Enrichment Analysis(GSEA)などによる解析を行ったところ、炎症に関わる遺伝のセットにおいて、内臓脂肪で皮下脂肪に比して発現レベルが高いものが多く含まれているという結果を得た。更に内臓脂肪で皮下脂肪に比して発現レベルが高い遺伝子の発現レベルは、そのサンプルが由来する個体のインスリン抵抗性と関連する傾向にあった。今後は当該遺伝子のSNPについて遺伝子型を決定して、遺伝子発現レベルと関連するSNPを探索することによって(eQTL解析)、内臓脂肪蓄積からインスリン抵抗性・メタボリックシンドロームを来しやすい遺伝素因を解明していく予定である。
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