2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591133
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松岡 孝昭 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (10379258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松久 宗英 徳島大学, 糖尿病臨床研究開発センター, 教授 (60362737)
金藤 秀明 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (80448034)
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Keywords | 糖尿病 / MafA / 膵β細胞 / 活性酸素 / c-Jun |
Research Abstract |
A) 2型糖尿病マウスへのMafAの過剰発現 我々の第一の目的は、2型糖尿病におけるin vivoでのMafAの重要性を評価することである。そこで、糖尿病状態におけるMafA低下の病態への影響を評価すべく、糖尿病マウスの膵β細胞におけるMafAの過剰発現を計画した。申請書に記載した予定通り、CAG-CAT-MafAとPDX1^<PST-BST>-CreERの両マウスをC57BLKs m/mマウスとの間で戻し交配を行い、いずれも10世代以上の戻し交配を終了した。その上でCAG-CAT-MafAとPDX1^<PST-BST>-CreERとのdouble transgenic miceを作製し、さらにC57BLKs db/mとの交配を繰り返すことにより、C57BLKs db/db糖尿病マウスであり、且つ、これらdouble transgeneを有するマウス(CAT-MafA/PDX1-Cre/db)を作製することにも成功した。このマウスに対し、CAT-MafA/db及びPDX1-Cre/dbを対照群として用い、MafA及びPDX-1発現がまだ保たれている9週齢においてTamoxifen(TM)を投与する予定である。これまでに、免疫組織染色上、CAT-MafA/PDX1-Cre/db群でのみ、30-40%の膵β細胞にtransgene由来のMafA発現がTMにより誘導されていること、対照群に比較して随時血糖が有意に改善することを確認している。今後、糖負荷試験や各種抗体による免疫組織染色などにより膵β細胞機能がいかに保護されたかを詳細に解析する予定としている。 B) 糖尿病状態におけるMafA発現調節機序の解析 我々は、活性酸素によるMafA発現の抑制にc-Junが関与している可能性につき検討しており、少なくともin vitroでは、膵島を用いた実験等によりこの可能性が高いことを示し報告している。そこで、in vivoでのc-JunのMafAへの影響を明らかにすべく、申請の通りfloxed c-JunマウスをC57BLKs m/mマウスとの問で8世代の戻し交配を行い、さらにC57BLKs db/mマウスとの交配によりdb/dbとした上で、c-Junを欠失させる予定であったが、floxedc-Jun locusがhomoのマウスでは、db locusの表現型が現れないことが経験され。これは、db(leptin receptor)geneとc-Jun geneとが同一染色体上の極めて近傍に位置しているためであることが判明した。そこで、C57BLKsと同一のback groundを有するob/obマウス(leptin遺伝子の異常による過食肥満糖尿病マウス)を用い、当研究を継続する予定としている。既にC57BLKs ob/obマウスは入手済みであり、c-Jun^<flox/flox>/PDX1^<PST-BST>-CreER/ob/-マウスの作製が可能であることまで実際に確認している。現在、ob/obのhomoを作製中であり、産出次第、TMによりc-Junをknock outする予定である。
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