2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591133
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松岡 孝昭 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10379258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金藤 秀明 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (80448034)
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Keywords | 糖尿病 / MafA / 膵β細胞 / 活性酸素 / c-Jun |
Research Abstract |
A) 2型糖尿病マウスへのMafAの過剰発現 我々はこれまでに、2型糖尿病モデルマウスにおいて主要なインスリン転写因子であるMafAの発現が著明に低下することを報告している(Matsuoka et al Diaebetes 2010)。そこで、MafAの糖尿病状態での重要性を直接評価すべく、糖尿病マウスの膵β細胞におけるMafAの過剰発現を計画した。Cre recombinaseに反応してMafAを発現するマウス(CAG-CAT-MafA)と、Tamoxifen (TM)投与下で膵β細胞特異的にCre recombinaseを発現するマウス(PDX1^<PST-BST>-CreER)のそれぞれをC57BLKs m/mマウスとの間で戻し交配を行い、さらにC57BLKs db/mとの交配を進めることでdb/db糖尿病マウスであり、これらtransgeneを有するマウス(CAT-MafA ; PDX1-Cre ; db)を作製した。このマウスに対し、MafA及びPDX-1発現が明らかに低下し始める10週齢以前にTMを投与し、計画通りTMに反応して膵β細胞特異的にMyc-tagとのfusion ptoteinとしてMafAが発現誘導されることは既に確認している。以下の実験は、CAT-MafA ; db及びPDX1-Cre ; dbマウスの2群を対照として用いている。TM投与前には随時血糖、血漿インスリン濃度およびHbA1c値は、CAT-MafA ; PDX1-Cre ; dbと対照群の間で有意差は認められなかったが、TM投与後、CAT-MafA ; PDX1-Cre ; dbマウスでは対照群に対し随時血漿インスリン濃度が有意に高値となり、随時血糖は有意に低値を示した。TM投与後8週目で測定したHbA1c値も、CAT-MatA ; PDX1-Cre ; dbマウスでは対照群より有意に低値を示した。TM投与後4、8週目に実施した糖負荷試験においても、CAT-MafA ; PDX1-Cre ; dbマウスにおいてインスリン分泌能が改善し、耐糖能の改善を認めた。また、免疫組織染色上CAT-MafA ; PDX1-Cre ; dbマウスでは、膵β細胞でのMafA発現及びインスリン及びが保たれていた。一方、対照群との間でインスリン抵抗性に有意差は認められず、耐糖能改善は膵β細胞機能の改善によるものと考えられた。実際に単離膵島を用いた灌流実験によりグルコース応答性インスリン分泌の改善が認められ、膵β細胞へのMafA過剰発現が膵β細胞機能障害を改善し、結果として耐糖能をも改善することが明らかとなった。 B) 糖尿病状態におけるMafA発現調節機序の解析 我々は、活性酸素によるMafA発現の抑制にc-Junが関与している可能性につき報告している(Matsuoka et al Diabetes 2010)。そこで、in vivoでのc-JumのMafAおよび膵β細胞機能への影響を明らかにすべく、c-Jun^<flox/flox>マウスをC57BLKs m/mマウスとの間で8世代の戻し交配を行い、floxed c-JunマウスをKs backgroundとし、C57BLKs ob/+マウスとの交配によりob/obとした上で、この糖尿病マウスの膵β細胞においてc-Junを欠失させることを計画した。これまでにc-Jun^<flox/flox>;PTF1-Cre ; ob/ob及びc-Jun^<flox/flox>;PDX1^<PST-BST>-CreER ; ob/obマウスの作製を終えており、胎生期からの膵全体に、又は成体期膵β細胞特異的にc-Junをノックアウトした影響につき、ob/ob糖尿病マウスにおいて耐糖能異常を中心に評価しているところである。
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