2010 Fiscal Year Annual Research Report
cPLA2制御によるPPARγ活性化機序の解明と糖尿病大血管症抑制効果の証明
Project/Area Number |
21591144
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松村 剛 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (20398192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 栄一 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 教授 (10253733)
宮村 信博 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 准教授 (40274716)
近藤 龍也 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 助教 (70398204)
本島 寛之 熊本大学, 医学部附属病院, 特任助教 (40398201)
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Keywords | 糖尿病大血管合併症 |
Research Abstract |
本研究は、cPLA_2阻害によるPPARγ活性化を介した動脈硬化進展抑制効果の有無を検討し、糖尿病性大血管合併症に対する新規治療法開発の可能性を見出すことを目的としている。 平成22年度は、cPLA_2制御による動脈硬化進展抑制効果ついて、以下の結果を得た。 1. マウス腹腔マクロファージ(rMΦ)に対するcPLA_2阻害薬(AACOCF_3)の添加、もしくはcPLA_2 siRNAの遺伝子導入によるcPLA_2の抑制は、LPS刺激によるTNF-α、IL-1β、MCP-1、MMP-9の産生誘導効果をmRNAレベル、蛋白レベルで有意に抑制した。さらにこのcPLA_2の制御は、LPS刺激によるMMP活性誘導効果を減弱させた。一方このcPLA_2制御による抑制効果は、PPARγ siRNAの遺伝子導入によるPPARγの活性化抑制により有意に減弱した。 2. マウス腹腔マクロファージ(rMΦ)へのAACOCF_3の添加、もしくはcPLA2 siRNAの遺伝子導入により、ABCA1、ABCG1の産生誘導がmRNAレベル、蛋白レベルで認められた。さらに、アセチルLDLにて泡沫化させたマクロファージへのAACOCF_3の添加、もしくはcPLA2 siRNAの遺伝子導入により、細胞内コレステロール量の減少、apoAIによるコレステロール引き抜き能の増加が認められた。またこのcPLA_2制御によるABCA1、ABCG1産生誘導効果、脱泡沫化作用は、PPARγ siRNAの遺伝子導入により減弱した。 以上の結果から、マクロファージにおいてcPLA_2の阻害は、PPARγの活性化を介して動脈硬化惹起因子の産生抑制や脱泡沫化作用を誘導し、その結果、抗動脈硬化作用を発揮する可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)