2010 Fiscal Year Annual Research Report
オーダーメイド治療を目指した骨髄球系造血器腫瘍の遺伝子学的新分類の提唱
Project/Area Number |
21591206
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
原田 浩徳 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 講師 (10314775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 結花 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (50379848)
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Keywords | 骨髄球系造血器腫瘍 / 遺伝子変異 / 転写因子 / 急性前骨髄球性白血病 / AML1/RUNX1遺伝子 / 急性骨髄性白血病 / 骨髄異形成症候群 / CEBPA遺伝子 |
Research Abstract |
転写因子の変異に基づいた新しい骨髄球系造血器腫瘍の遺伝子分類を提唱し、的確なオーダーメイド治療を開発することが本研究計画の目的である。そこで本年度は、変異の検出と病態との関連の解析結果から、in vitroおよびin vivoでの解析を行った。 骨髄球系造血器腫瘍患者における遺伝子異常の検出と病態との関連の解析により、様々な候補遺伝子異常を同定した。その中で、CEBPAの変異パターンにより骨髄異形成症候群(MDS)と急性骨髄性白血病(AML)の病型が区別できることを発見した。CEBPA変異体をヒト造血幹細胞およびマウス造血幹細胞へ導入し、マウスへの移植を行った。CEBPAの2つの異なったタイプの変異は、異なった腫瘍原性効果を呈するが、これらは協調して白血病発症に働くことを示し、学会発表および論文報告を行った。 RUNX1遺伝子変異についても、ヒト造血幹細胞に導入して解析を行っている。RUNX1変異のタイプにより腫瘍原性効果は異なっており、タイプによっては協調因子が不可欠であることが明らかとなった。引き続きin vitroおよびin vivoでの解析を継続中である。 また、急性前骨髄球性白血病(APL)治癒後の治療関連白血病に関する研究結果の取りまとめが完了し、研究発表を行った。APL治癒後の白血病ではRUNX1点突然変異やキメラ遺伝子などが原因となっており、原疾患の白血病細胞とは異なる造血幹細胞がAPL治療により遺伝子異常を獲得して発症していることを示し、これまでのAPL治療に警鐘を鳴らす研究結果を報告した。
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Research Products
(20 results)