2010 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチの病態を促進する単球と抑制する単球の解析
Project/Area Number |
21591270
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
瀬田 範行 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (40338372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑名 正隆 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (50245479)
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Keywords | 末梢血単球 / 関節リウマチ / 多分化能 / リウマチ学 / 免疫学 |
Research Abstract |
申請者は「末梢血CD14+単球中には関節破壊を促進する悪玉単球と関節の修復に関わる善玉単球が存在する」という仮説を着想した。この仮説を立証するために末梢血中に存在する悪玉単球と善玉単球の数的および質的違いを解析して、RA病態における末梢血単球の役割を明確にすることを本研究の目的として本研究を始動した。平成21年度には、健常人と比べて有意にRA末梢血単球のほうがCXCR4の発現強度が低く、RAの疾患活動性が高い群のほうが、低い群よりも末梢血単球のCXCR4の発現が低ことが判明し、CXCR4高発現CD14+単球(悪玉単球)はRA疾患活動性の上昇にともない滑膜へ流入したために末梢血中のCXCR4高発現CD14+単球数(悪玉単球)が減少した可能性が想定された。そこで、平成22年度の課題を遂行する中で以下のような知見が得られた。 <RA患者と健常人の末梢血CD14+単球のフェノタイプ解析> 76例の未治療RA患者と26例の健常人から得た末梢血を用いて、末梢血CD14+単球のフェノタイプ解析をしたところ、健常人と比べてRAの方が有意にRA末梢血CD14+単球中をしめるFcγRIIIa発現細胞頻度が高く(p=0.39)、末梢血CD14+単球上のCCR2発現強度が高い(p=0.042)ことが判明した。この結果は、RAの末梢血中では既にCD14+単球が活性化されていることが示され、CD14+単球がRAの病態形成に深く関与している可能性が得られた。
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Research Products
(3 results)