2009 Fiscal Year Annual Research Report
低濃度二酸化塩素ガスの院内感染原因微生物除菌効果の基礎的研究
Project/Area Number |
21591299
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
吉田 耕一郎 Showa University, 医学部, 准教授 (50248217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小司 久志 昭和大学, 医学部, 助教 (20412174)
二木 芳人 昭和大学, 医学部, 教授 (50156030)
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Keywords | 院内感染制御 / 二酸化塩素ガス / リアルタイム細菌数測定 / 微生物不活化効果 |
Research Abstract |
低濃度二酸化塩素ガスを病室内に発生させることで、標的とする微生物種を選ばない非特異的な微生物不活化効果が得られると考えられる。これを実験によって確認することで、インフルエンザウイルスをはじめMRSA、多剤耐性緑膿菌、バンコマイシン耐性腸球菌、結核、麻疹ウイルス、ノロウイルス、真菌等の院内感染症原因微生物の除去に応用できると推測される。また、二酸化塩素ガス濃度を安全域内でさらに上昇させることにより、大気中の浮遊病原性微生物のみでなく、ドアノブなどの物体に付着した病原性微生物の不活化にも応用できる可能性もあると考えられる。 まず、元来の病室内空気中浮遊細菌数を知るために、低濃度二酸化塩素を発生させない状況で、リアルタイム微生物数測定装置、およびエアサンプラーを用いて、無人病室空気中の浮遊微生物数を測定した。次いで、抗微生物活性を有する低濃度二酸化塩素ガスを空間中に発生させ、同様に、リアルタイム微生物数測定装置、およびエアサンプラーを用いて環境の浮遊菌数を経時的に測定した。二酸化塩素ガス発生装置としては、大幸薬品株式会社のリスパスを用いた。病室内の環境により微生物浮遊の状態が変化する可能性があるため、エアコンディショナーのOn、Off、室内気サーキュレーターのOn、Off、など、様々な条件を設定して実験を実施した。実験の結果、無人病室内の空中浮遊菌はかなり少ない事も明らかになってきつつある。しかし、実験者の病室への出入りにより、リアルタイム細菌数測定装置では浮遊粒子の増加も確認された。今後、これらの基礎実験の成果を踏まえ、さらに研究を推進する予定である。
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