2009 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子疾患の治療をmRNAのスプライシングの調節により行なう。
Project/Area Number |
21591365
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
栗林 太 Kawasaki Medical School, 医学部, 教授 (60251443)
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Keywords | 活性酸素 / 慢性肉芽腫症 / 好中球 |
Research Abstract |
慢性肉芽腫症(CGD)を含めた遺伝病の約40%は、塩基置換により発生する中途ストップコドン(pre-mature stop)のために、正常な完全長の蛋白質ができないことが原因となる。CGDは、殺菌に必須である酵素、食細胞NADPHオキシダーゼの遺伝子異常により、好中球、好酸球や単球による殺菌能が低下し、小児期から致死的な細菌及び真菌感染を繰り返す疾患である。そこで、CGDの原因の一部ではあるが、治療によりpre-mature stopをmRNAから除くことができれば、正常に近い長さの蛋白質の翻訳が可能となり、症状の改善が期待できる。本応募課題では、期間中にCGD患者好中球におけるpre-mature stopの除去機構の解明とCGD患者の症状の改善を目的とする。将来的には他の遺伝病でも同様の治療方法の有効性を確認したい。平成21年度はまず、活性酸素生成法の開発を行ない、CGD患者好中球が生成する活性酸素の定量を可能にした(学会発表)。その定量法に基づき、CGD患者好中球の活性酸素量と症状に関する考え方を発表した(図書(英文査読あり))。治療を考えた場合、どの程度の活性酸素の生成ができれば、感染症を繰り返さないのか、との疑問がでる。ある程度の活性酸素を生成するCGD好中球(好酸球)の解析から、10%程度の白血球細胞が活性酸素を生成できれば、致命的な感染症は避けられると現在考えている。また、我々はこれまでCGDで欠損するタンパク質のプロモーター解析を行なってきたが(BBRC209-146,PNAS26-6085)、それらの発現調節の解析もおこなった(学会発表、雑誌論文)。
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Research Products
(4 results)