2011 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性皮膚炎の痒みの発生機序の解明と新規治療法の開発
Project/Area Number |
21591468
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
竹中 基 長崎大学, 大学病院, 講師 (30281207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 伸一 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (20215792)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / 神経ペプチド / サブスタンスP / neutral endopeptidase |
Research Abstract |
外来通院中のアトピー性皮膚炎患者5例を対象に、日本皮膚科学会の定める治療ガイドラインに沿って治療を行い、その前後で、血清中のサブスタンスP濃度をELISA法で、末梢血単核球のnueral endopeptidase mRNA発現をRT-PCR法により検討した。治療に伴い、皮膚症状とともに掻痒も著明に軽減していた。血清中サブスタンスP濃度は、1例ではほとんど低下は認めなかったが、4例において低下を認め、5例平均で、治療前310.0±117.1pg/mlから253.0±68.3pg/mlと、治療後には治療前の86.8%に減少していた。Neutral endopeptidase mRNA発現は、バンドの吸光度を測定したところ、mRNAの発現が治療後に10~20%増強していた。次に、ストレスが皮膚免疫系に与える影響について、接触皮膚炎モデルを用いて検討した。接触皮膚炎は、Oxazoloneで感作したマウスで惹起させた。マウスは、400Hzの騒音と25秒間につき2秒の振動によるストレスに、晒されない群(control)、誘発期間のみ(single stress)晒される群、感作期間と誘発期間(double stress)に晒される群の3群に分け検討した。誘発後のマウスの耳介は、control群に比べ、single stress群、double stress群の順に有意な差をもって腫脹していた。局所におけるmRNAの発現をみたところ、サブスタンスPの前駆物質であるpreprotachykinin-A、IFN-γ、IL-4、IL-6、TNF-αいずれもdouble stress群でcontrol群に比べ有意に発現しており、ストレスは接触過敏性を増強することが示唆された。また、サブスタンスPのレセプターであるneurokinin 1 receptorの抗体を誘発前に投与することにより、有意に抑制された。
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