2010 Fiscal Year Annual Research Report
可視光の皮膚アンチエイジング効果に関する基礎的研究-DNA修復能に着目して
Project/Area Number |
21591475
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
森脇 真一 大阪医科大学, 医学部, 教授 (40303565)
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Keywords | 紫外線 / DNA修復 / アンチエイジング / 発光ダイオード(LED) / メラニン / 酸化ストレス |
Research Abstract |
近年美容皮膚科領域において光線機器を用いたシワ・シミをターゲットとした皮膚アンチエイジング治療の進歩は著しいが、その医学的エビデンスはまだまだしいのが現状である。 このたびまず第一に我々はDNA修復という観点から、主として可視光線を用いるアンチエイジング治療に関する医学的・科学的エビデンスを得る研究ストラテジー考案し研究代表者が本邦で唯一保持する紫外線性DNA損傷、酸化的DNA損傷各々の修復機能の評価システムを用いて初代培養線維芽細胞(健常人)における各色(青、黄、赤色)LED照射による細胞内DNA修復能力への影響(DNA修復能を上げることができるか)を検討した。具体的には2種類の実験ストラテジーにより光線(LED)照射による紫外線性DNA損傷の修復能、酸化的DNA損傷の修復能の定量的変化を種々の正常ヒト皮膚由来培養線維芽細胞を用いて網羅的に解析した。DNA修復能の定量化は紫外線誘発もしくは活性酸素誘発DNA損傷を人工的に生じさせたレポータープラスミドの宿主細胞回復能を指標に行った研究に用いた赤色LED(620~630nm)、黄色LED(590nm)、青色LED(465~470nm)は培養細胞に照射可能であるような規格を独自に作製しした。さらにヒト3次元皮膚培養系を用いて各色LEDのメラニン合成に対する効果も検討した。 その結果、酸化的DNA損傷の細胞修復は赤、黄、青色LEDすべてにおいて照射後上昇し、細胞内紫外線性DNA損傷の修復レベルは青、黄色LED照射後増加した。また赤色、青色LEDはともにメラニン産生を抑制する作用があることが判明した。これらの結果は各色LEDがシミ・シワ治療に有用な重要なツールとなる可能性を示唆する。
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Research Products
(8 results)