2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591477
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
泉 剛 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 助教 (60312360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 拓 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (80325563)
吉田 隆行 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (60374229)
吉岡 充弘 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40182729)
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Keywords | 精神薬理学 / 不安 |
Research Abstract |
(1)恐怖条件付けストレスの負荷により、扁桃体基底核(BLA)およびintercalated nucleus of amygdale(ITC)において、特異的に細胞活性化の指標である、CREBのリン酸化亢進あるいは転写因子c-Fosの発現増加が認められた。二重染色法で検討したところ、BLAのc-Fos陽性細胞はすべてglutamatergic neuronのマーカーであるglutaminase共陽性であり、GABAergic neuronのマーカーであるGAD67は2%のみ共陽性であった。BLAのpCREB陽性細胞のうち、78%がglutaminase共陽性であり、13%がGAD67共陽性であった。ITCには、GAD67陽性の細胞が密集して存在し、glutaminase陽性の細胞は存在せず、またほとんどの細胞はpCREB陽性で、少数の細胞がc-Fos陽性であった。以上より、条件付け恐怖で活性化されるBLAのc-Fos陽性細胞はほとんどがglutamatergic neuronであり、pCREB陽性細胞はglutamatergicおよびGABAergic neuronであることが示唆された。またITCの細胞はほとんどがGABAergic neuronであり、条件付け恐怖で活性化されることが示唆された。 (2)筆者らが衝動性の試験法として確立した3選択連続反応課題において、NRIであるatomoxetine、SNRIであるmilnacipranおよびSSRIであるfluvoxamineを投与し、atomoxetineとmilnacipranが衝動性を抑制することを見出した。Fluvoxamineが無効であったことから、atomoxetineおよびmilnacipranの効果は、ノルアドレナリン増加作用によるものと考えられた。また、mPFCではノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する薬物が、ドーパミントランスポーターに結合することにより、ドーパミン遊離も増加させることが知られている。従って、atomoxetineおよびmilnacipranの本課題に対する効果は、(1)mPFC、側坐核、眼窩前頭皮質のいずれかにおけるノルアドレナリン増加作用、または(2)mPFCにおける選択的なドーパミン増加作用によると考えられた。
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Research Products
(4 results)