2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591477
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
泉 剛 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (60312360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 隆行 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (60374229)
吉岡 充弘 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40182729)
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Keywords | 精神薬理学 / 不安 |
Research Abstract |
(1)恐怖条件付けストレス負荷の30分および2時間後に、扇桃体中心核から情動出力を司る脳部位である扁桃体間在核において、細胞活性化の指標であるc-Fos発現およびCREBのリン酸化を免疫染色によって定量した。恐怖条件付けストレス負荷の30分後およびに2時間後に、扁桃体間在核のc-Fos陽性細胞数は変化なかったが、CREBのリン酸化体であるpCREBの陽性細胞数は有意に増加していた。これより、恐怖条件付けストレス負荷により扁桃体間在核が活性化されるが、間在核の神経細胞は活性化の際に、pCREBの下流においてc-Fos発現の増加を伴わない細胞内情報伝達経路をとっていることが明らかとなった。また、扁桃体間在核はGABAニューロンの集団であるが、扁桃体基底核のGABAニューロンにおいても、恐怖条件付けストレス負荷によるc-Fos発現を伴わないCREBのリン酸化が認められたため、これは脳内のGABAニューロンに共通したストレス負荷時の細胞内情報伝達様式であることが推測された。 (2)衝動性の動物モデルである3-choice課題遂行時に、腹側内側前頭前野(IL)に留置した記録電極より、単一細胞外神経記録を行った。記録した56ユニットのうち、25ユニットが衝動性制御に関連し、4ユニットが注意機能に関連していた。また、13ユニットはその両方に関連していた。これにより、ILには衝動性の制御に関わっている細胞が存在することが示唆された。
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