2010 Fiscal Year Annual Research Report
アカシジアの病態解明に関する「覚醒時」ミオクローヌスの電気生理学的研究
Project/Area Number |
21591485
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
堀口 淳 島根大学, 医学部, 教授 (90136317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮岡 剛 島根大学, 医学部, 准教授 (50284047)
岡崎 四方 島根大学, 医学部, 助教 (20379671)
安田 英彰 島根大学, 医学部, 助教 (30379680)
宇谷 悦子 島根大学, 医学部, 助教 (50437539)
新野 秀人 香川大学, 医学部, 准教授 (10393430)
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Keywords | アカシジア / ミオクローヌス / 抑肝散 / 抗精神病薬 / 電気生理学 |
Research Abstract |
22年度の研究期間中に以下のような検討を実施し、現在も23年度に予定された研究を実施中である。 1.アカシジアの抽出と治療(1)対象患者の集積状況:当初の予定通り、対象症例は、応募者らの所属する島根大学医学部附属病院精神科・神経科病棟に2010年4月1日から2011年3月31日までの期間に入院し、DSM-IVの診断基準で統合失調症と診断された患者28人であった。この28人は男性19人(25歳~75歳:平均年齢42歳)、女性14人(25際~72歳:平均年齢44歳)であった。(2)アカシジアの発現率:上記の対象となった統合失調症患者28人のうち、入院中に抗精神病薬誘発性アカシジアを呈した患者は、男性3人、女性4人の合計7人であり、アカシジアの発現率は全体では20.5%であり、男性20.4%、女性28.6%であった。(3)抗精神病薬誘発性アカシジアの薬物治療:アカシジアの治療は当初の予定通り、応募者らが作成したアカシジアの治療ガイドラインに従って治療を開始した。しかし、この治療ガイドラインに従って治療を行ってもアカシジアが改善しなかった患者が2人(男性1人、女性1人)認められた(4)抑肝散の投与:治療ガイドラインに従って治療を行ってもアカシジアが改善しなかった患者2人に対して、抑肝散(7.5g/日、分3食前)を投与した。しかしいずれの2例も、抑肝散の投与でもアカシジアは改善しなかった。 2.終夜睡眠ポリグラフ検査と「覚醒時」ミオクローヌスの有無の結果 (1)対象の属性:終夜睡眠ポリグラフ検査実施例は、8例(男性3例、女性5例:16歳~75歳、平均年齢39.8歳±18.2歳)であった。このうち上述した難治性アカシジア患者で「覚醒時」ミオクローヌスが確認された患者は1例であった。(2)難治性アカシジアの睡眠構造:この2例の治療前の2夜の睡眠構造はTime in bed407.1±22.2分、Sleep period time 192.0±6分、Total sleep time 162.1±43.5分、睡眠潜時56.4±34.2分であり、Sleep period timeに占める各睡眠段階の割合は、Wake 14.3±29.1%、REM16.0±4.9%、Stage1 133.1±9.9%、Stage2 22.9±15.1%、Stage3 8.7±3.00%,Stage4 45.0±112%であった。睡眠時ミオクローヌスや治療後の睡眠構造については、これまでの21年度と22年度の集積患者の結果を、本年度からのデータと合わせて、予定通り総括して報告する予定である。(3)「覚醒時」ミオクローヌスの検出:抗精神病薬誘発性アカシジア7例のうち,2例で「覚醒時」ミオクローヌスが確認された。しかし、この2例の「覚醒時」ミオクローヌスをビデオカメラを用いて撮影することはできなかった。これ以前に3例ビデオ撮影できているので、本年度は撮影例数を増加させたい。
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Research Products
(8 results)