2010 Fiscal Year Annual Research Report
人口動態統計による精神障害者(特に統合失調症)の自殺死亡の疫学的研究
Project/Area Number |
21591531
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Research Institution | Hachinohe University |
Principal Investigator |
瀧澤 透 八戸大学, 八戸大学人間健康学部, 教授 (40389680)
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Keywords | 自殺 / 精神疾患 / 人口動態統計 / 目的外使用 / うつ病 / 統合失調症 / 精神障害 |
Research Abstract |
平成22年度は人口動態統計の精神疾患の自殺死亡の実態を明らかにすることを目的に、基幹統計の目的外使用の申請を行い、承認後、厚生労働省にて死亡票の閲覧・転写入力を行った。なお、当初は青森県の過去3年間を研究対象としていたが、最終的に平成20年の全国が調査分析対象となった。 調査方法は死亡票とオンラインデータにある精神疾患の記載の集計であるが、死亡票の「死亡の原因」欄のほか、「外因死の追加事項」「その他付言すべきことがら」の各欄に記載があった場合も有効とした。なお、平成20年自殺死亡30299人のうち確認できたものは29799人(98.3%)であった。 調査結果は以下の通りである。認知症53人(うちアルツハイマー型認知症は12人)、器質性精神病4人、アルコール依存症(アルコール精神病も含む)116人、薬物依存症4人、統合失調症550人、統合失調感情障害2人、妄想性障害6人、その他(F20-29)9人、うつ病1913人、躁鬱病(双極性障害)101人、持続性気分障害(抑うつ神経症)11人、老人性うつ病16人、恐怖症性不安障害5人、パニック障害(不安抑うつ、不安神経症も含む)63人、PTSD2人、適応障害22人、強迫性障害13人、解離性障害10人、身体表現性障害4人、神経症36人、心身症3人、摂食障害14人、境界性人格障害14人、情緒不安定型人格障害4人、その他の人格障害9人、知的障害5人、自閉症・アスペルガー障害8人、不眠症・睡眠障害49人、てんかん12人、自律神経失調症9人などであった。なんらかの精神疾患の記載があった者は29799人中2965人で、また統合失調症でかつうつ病であった者は21人など、複数の診断がある者はこのうち125人いた。 これ以外では、向精神薬の過量服薬138人、自殺未遂45人、リストカット6人、自殺念慮(自殺願望)41人、病名不明(通院中、加療中など)135人があった。
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Research Products
(1 results)