2010 Fiscal Year Annual Research Report
320列面検出器型CTを用いた超低侵襲心臓画像診断法の開発
Project/Area Number |
21591576
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
吉岡 邦浩 岩手医科大学, 医学部, 准教授 (70210648)
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Keywords | 放射線 / 循環器・高血圧 / 臨床 / CT |
Research Abstract |
1. マルチスライスCT(MSCT)の多列化によって冠動脈を低侵襲的に診断することが可能となった。しかし、心臓を従来の64列MSCTで撮影した場合には被ばくが非常に多いこと等の欠点が明らかになっている。本研究の目的は、最新型のMSCT装置である320列面検出器型CTを用いて、診断精度を担保しつつ、従来の64列MSCT装置と比較して低被ばくで、造影剤の使用量等も含めて、より侵襲性の低い新しい撮影法を開発することである。 2. 研究2年目である本年度は、臨床面での検討を中心に研究を行った。今までの基礎的な研究で最も被ばくが少ないことが判明した「前向き心電図同期法による1心拍撮影」を実際の症例に応用した。そして、その方法の実施可能性、被ばく線量、そして撮影に使用した造影剤量について検討した。対象は当施設で冠動脈ステントが留置された症例のなかで、ステント内再狭窄の有無を確認するために侵襲的な冠動脈造影を目的として入院した症例のうち、冠動脈CT実施のインフォームドコンセントが得られた102例(後ろ向きに調査した症例も含む)とした。 3. 「前向き心電図同期法による1心拍撮影」が可能であったのは81例(79.4%)であった。本法が使用できなかったのは21例(20.6%)で、その原因は心房細動等の不整脈と頻脈(心拍数>65bpm)であった。「前向き心電図同期法による1心拍撮影」を使用できた場合の推定被ばく量は、DLPeで330±111mGycm、実効線量で5.3±1.8mSvであった。また、使用した造影剤量は33.8±7.9mLであった。
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Research Products
(5 results)