2010 Fiscal Year Annual Research Report
単色放射光を用いた肝血流イメージングによる局所肝血流の3次元的微細動態の解析
Project/Area Number |
21591583
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
伊東 克能 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00274168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉田 勉 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (40278932)
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Keywords | 単色放射光 / 肝血流 / イメージング / 門脈血液 |
Research Abstract |
日本白色家兎(クリーン)に対して、まず開腹下に腸間膜静脈を露出した後、末梢静脈を直接穿刺してカテーテルを挿入し、直接門脈造影を行った。肝動脈造影は、カテーテルを直視下で肝動脈まで誘導することが困難であったため、バルーンカテーテルを用いて大動脈内で膨らませて肝動脈造影を行うことで、比較的選択的な肝動脈造影像が得られた。撮像部位は比較的薄く分葉していて撮像に適した肝尾状葉でおこなった。この条件下で、肝血流の3次元的微細動態の解析を行うこととした。門脈造影は直接穿刺によるため、より末梢へのカテーテルの誘導が可能であり、局所微細肝内門脈血流の観察が可能であると考えられる。マイクロCTでは50マイクロメートルレベルの血管も描出可能であり、末梢肝実質レベルでの門脈閉塞に伴う動脈・門脈の吻合状態の変化や血管増生の程度を評価することができる。これは臨床例でしばしば経験される造影ダイナミックCTやMRIの動脈優位相で観察される早期濃染偽病変の成因解明の一助になると考えられる。一方で、Gd-EOB-DTPAの肝内分布の観察も行っているが、これは肝細胞膜での膜蛋白による能動輸送により、Gd-EOB-DTPAが肝細胞内に取り込まれていく過程で、肝実質内にどのように分布するのか、血流動態や血管新生や血管分布との関連性があるのか、肝線維化の程度と関連があるのかなどを含めて、肝細胞機能と微細肝動脈門脈血流動態との相互関係についても解明していく。
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