2009 Fiscal Year Annual Research Report
先進的ながん治療を目指した高純度ルテチウム-177の新規製造法の開発
Project/Area Number |
21591586
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
渡辺 智 Japan Atomic Energy Agency, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (40354964)
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Keywords | ルテチウム-177 / 分離・精製法 / 高純度 |
Research Abstract |
申請者は、治療のためのβ線に加えてモニタリング可能なγ線を同時に放出する^<177>Lu(ルテチウム-177)に着目し、がんに特異的に濃集するモノクローナル抗体へ^<177>Luを標識した^<177>Lu-抗体を開発して、^<177>Lu-抗体のがん治療薬としての有用性の評価を目指している。しかし、現在までに開発した^<177>Luの製造法では^<177>Lu最終溶液に不純物元素が混入するため、^<177>Lu-抗体の標識率の低下が起こる。そこで、本研究課題では、^<177>Lu-抗体の標識率向上のために^<177>Luを高純度で製造することを目的とし、酢酸系キレート樹脂等を用いた^<177>Luの新規製造法の開発を行なう。酢酸系キレート樹脂によるYb-Luの分離法として文献によると、まず、イミノ二酢酸キレート樹脂によりLu及びYbと同じ希土類元素であるYとEuのmgオーダーの相互分離を達成している。また、分離量はμgオーダーと微量ではあるがイミノニ酢酸キレート樹脂により全希土類元素の相互分離を行なっている。これらのことから、直接YbとLuのmgオーダーの相互分離を行なった研究はないが、分離条件を最適化することにより、これら酢酸系キレート樹脂を用いてmgオーダーのYbとLuの相互分離は可能と判断できる。そこで、分離量μgオーダーでのイミノ二酢酸キレート樹脂によるYbとLuの文献の追試を行なった。結果として、ピークトップは分かれたが、ピークを完全に分離することはできなかった。今後、最適な分離条件を検討する予定である。
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