2011 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍制御向上を目指した新しい高濃度アスコルビン酸併用放射線治療の研究
Project/Area Number |
21591603
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
細川 洋一郎 弘前大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (70173599)
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Keywords | アスコルビン酸 / 放射線 / 細胞死 / 併用療法 / ヌードマウス / 腫瘍移植 |
Research Abstract |
1)上皮系ならびに肉腫系の複数の細胞株による効果判定 ヒト線維肉腫細胞(HT1080),扁平上皮舌癌細胞(SAS),肺腺癌細胞(A549)の3種類の細胞を10万個ずつ4群に分け,放射線照射単独(Rad)群,アスコルビン酸投与(AsA)群,併用(Rad+AsA)群,Control群とし、処理を施した.その3日後、トリパンブルー排斥法により生細胞数を測定しcontrol群を100%として生存率を比較検討した。その結果、すべての細胞で、放射線単独よりアスコルビン酸併用のほうが腫瘍細胞を抑制していた。以上より、放射線単独に比較してアスコルビン酸を併用したほうが、上皮系ならびに肉腫系の細胞株においても効果的であることが示唆される。 2)動物実験によるアスコルビン酸併用療法の有効性の確認 線維肉腫細胞(HT1O80)をヌードマウスに500万個後頸部に注入し、腫瘍を移植後、7日および9日後に、下記に示す処置を3群に行った。Rad群:マウスに麻酔を行い、腫瘍部以外をすべて防護した後、4Gyの照射を行う。AsA群:アスコルビン酸を5mMに調整し、200μLを腫瘍に直接、局所注射する。Rad+AsA群:アスコルビン酸5mM200μLを腫瘍に局所注射した後、マウスに麻酔を行い、腫瘍部以外をすべて防護した後、4Gyの照射を行う。実験開始13-14日後に、腫瘍の大きさ(長径×短径)を測定した後、マウスを安楽死させ、腫瘍重量を計測した。その結果、安楽死時において腫瘍の大きさ(長径×短径)および腫瘍重量ともに、放射線単独よりアスコルビン酸併用のほうが小さい傾向がみられた。以上より、腫瘍を移植した動物実験においても、放射線単独に比較してアスコルビン酸を併用したほうが、効果的であると考えられた。
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Research Products
(6 results)