2010 Fiscal Year Annual Research Report
微小重力環境を用いた多能性幹細胞の腸管神経分化誘導による新しい幹細胞移植法の開発
Project/Area Number |
21591649
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
植田 剛 奈良県立医科大学, 医学部・附属病院, 研究員 (40526810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金廣 裕道 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (30204580)
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Keywords | 多能性幹細胞 / 腸管分化誘導 |
Research Abstract |
ES細胞での腸管分化誘導技術をもとに、我々は世界で初めてiPS細胞から蠕動運動能を有する腸管の分化誘導に成功した。この腸管を詳細に検討すると、粘膜細胞、平滑筋細胞、ICC、神経細胞などの腸管特異的な三胚葉系細胞で構成されており、またこれらの組織が秩序だって配列しており、生体内と同様の構造を示す臓器としての腸管であることが分かった。従来、多能性幹細胞から様々な細胞レベルへの分化誘導の報告はあるが、我々のように3次元構築された機能を有する臓器を分化誘導できたことは画期的であり、この成果を論文や学会で報告してきた。ES細胞同様、iPS細胞でも臓器としての腸管を分化誘導できたとことが、より難治性腸疾患での病態解明や臨床応用へ近づくものと考えている。疾患由来で患者由来であるiPS細胞のメリットを生かし、従来のES細胞研究の知見も取り入れながら、iPS細胞由来の疾患特異的で免疫拒絶の回避した腸管の作成に取り掛かっており、腸管再生医療へのさらなる一歩となるべく研究を継続している。 また、研究テーマに掲げる腸管特異的な神経分化誘導に関しては、上記のES細胞、iPS細胞からの腸管分化誘導技術を応用し、様々な分化誘導因子を加えることによって神経堤幹細胞の分化誘導に取り掛かっている。さらにはin vitroの微小重力環境で脂肪由来幹細胞(ADSC)との融合したのち、マウスに移植して臓器の分化誘導を検討することも予定しており、新しい幹細胞移植研究の第一歩となるため、今後も本研究を継続する予定である。
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Research Products
(5 results)