2011 Fiscal Year Annual Research Report
改良型キトサンナノ繊維管による胸腔内自律神経機能再生に関する実験的臨床的研究
Project/Area Number |
21591661
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松本 勲 金沢大学, 附属病院, 助教 (80361989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 誠 金沢大学, 医学系, 准教授 (50224241)
渡邊 剛 金沢大学, 医学系, 教授 (60242492)
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Keywords | 神経再生 / キトサン / 交感神経 / 横隔神経 / 迷走神経 |
Research Abstract |
【目的】ナノテクノロジーを応用して作成したキトサンナノ繊維チューブ(C-tube)の交感神経および横隔神経再生効果について検討した。【方法】ビーグル犬を使用。右開胸で交感神経および横隔神経を確認のうえ、神経を約1cm切除し、神経の断端をそれぞれC-tubeの両端に縫合。【実験1】交感神経モデル3頭、横隔神経モデル3頭、計6頭を対象。いずれも犠牲死まで肺炎や創感染はなく生存し、C-tube周囲に肉芽造生を認めるも、膿瘍形成はなかった。交感神経:3頭中2頭で、犠牲死の際ホルネル症候群が改善。術後3か月では右上肢の温度は左上肢より1℃以上高かったが、1年後には温度の左右差はなくなった。病理学的に術後3か月でC-tube内に索状物が増生し、術後1年でC-tube内で神経が連結していた。横隔神経:右横隔膜は、術直後には3頭とも挙上し運動性はなかったが、1年後には3頭中2頭で呼吸に合わせ頭尾側に運動するようになった。横隔膜の運動性が戻った犬ではC-tube内で横隔神経が再生していた。【実験2】横隔神経モデルで、A群:一重層C-tube(n=4)、B群:二重層C-tube(n=4)、C群:C-tubeを用いず神経切断のみ(n=1)の3群に分け、横隔神経再生効果を術後1年で評価した。現在までにA群3頭とC群の評価を行った。C群では術後1年で、横隔膜は挙上し運動性はなく、神経は離断されたままであり、神経伝導検査装置による横隔神経の電気刺激で横隔膜は動かなかった。A群では、術後1年後には3頭ともに呼吸に合わせ横隔神経が頭尾側に、ある程度運動するようになった。C-tube内の再生組織が太いほど、弱い横隔神経電気刺激で横隔膜が動き、この神経電位図を作成した。【結語】C-tubeは自律神経である交感神経および横隔神経の形態的再生を促し、横隔神経で神経機能の一部を再生させることを確認した。
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