2010 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤耐性胃癌細胞株の樹立とそのタンパク分子プロファイル
Project/Area Number |
21591676
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
西塚 哲 岩手医科大学, 医学部, 講師 (50453311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 剛 岩手医科大学, 医学部, 教授 (50175064)
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Keywords | 薬剤耐性 / プロテオミクス / 抗癌剤 / 細胞集団 / 癌幹細胞 |
Research Abstract |
薬剤存在下で生存しうる細胞集団をpropagateし、最終的に「薬剤耐性細胞集団由来細胞」として確立した細胞株の多くがその耐性を喪失していることが判明した。例外的に耐性を獲得したままのものでも、複数の薬剤に対する耐性を伴っていることが多く、単一薬剤の耐性機構を分子レベルで検討するモデルとしては最も適したものであるかは疑問が残る。これらの結果を踏まえて、我々は新たに薬剤耐性細胞集団のコロニーから直接タンパク分子プロファイルを行うことを試みている。コロニー単離までの方法は交付申請書に述べたものと同様であるが、細胞株および薬剤の種類を複数として行っている点が異なる。接触させる薬剤は対数スケールの濃度勾配とし、それぞれの薬剤濃度で生存しえた20~50個のコロニーの細胞集団(直径0.5-1mm)を採取し、10μlの細胞ライセートを調製する。このライセートを用いて従来法に改良を加えたプロトコルで1コロニー1ドットのRPAを作製する。用いる一次抗体は、薬剤耐性と癌幹細胞の関連から現有する表面マーカーパネル、および細胞周期・アポトーシス・細胞骨格関連のパネルを用いる。現在まで胃癌細胞株MKN45をシスプラチンに接触させて採取したシスプラチン耐性細胞集団について検討を進めているが、シスプラチンの濃度依存性に発現が上昇する癌幹細胞マーカーがあることを示唆する結果が得られた。来年度はタンパク分子プロファイルおよび機能解析を行う予定である。
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