2010 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌腹膜播種性転移細胞の特性とその抗癌剤に対する感受性・耐性関連因子の検討
Project/Area Number |
21591713
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
林 和彦 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10208613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉持 英和 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (30287362)
上小鶴 弘孝 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (40328430)
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Keywords | 胃癌 / 腹膜播種 / 抗癌剤耐性 |
Research Abstract |
前年度に行った培養細胞株についての研究をもとに追加検討を行った。胃癌の培養細胞株を用いてOsteopontin(OPN)をsiRNA法により特異的にノックダウンした条件下でDocetaxel(DOC)を曝露し薬剤感受性試験い、OPNが細胞増殖能および抗癌剤耐性に与える影響について検討を行った。 また、臨床サンプルを用いた研究として腹腔内投与症例を集積し、腹腔内洗浄液中の癌関連遺伝子発現を測定することにより、従来の細胞診より腹膜転移の検出率を高めることを目的に検討を行った。対象は胃癌腹腔洗浄細胞診検査症例34例(CY0 21例・CY1 13例)とした。腹腔内洗浄液中の細胞についてtotal RNAを抽出しcDNAを合成し、real time RT-PCR法により9つの癌関連遺伝子(CDH・TERT・CEACAM・KRT20・DDC・FABP1・BIRC5・TACSTD1・TFF1)のmRNA発現量の定量を行った。その結果、CY1群の腹腔内洗浄液中で6癌関連遺伝子がCY0群と比較して高発現していた。(TERT : p=0.06・CEA : p<0.0001・KRT20 : p=0.0113・DDC : p=0.0073・FABP1 : p<0.0001・TFF1p=0.0011)。CY1の13例は全例1つ以上の上記6遺伝子の発現上昇(以下PCR陽性)を認めたが、CY0症例21例中では14例がいずれの発現も認めなかった。CY0かつPCR陽性であった7例のうち5例はP1であった。よって本検査法によるP1診断の感度は92.9%であり、腹腔内洗浄液中の癌関連遺伝子発現定量による細胞診は、腹膜転移の診断率を向上させると考えられた。 今後はこれらの症例を順次集積していき、データを集め解析を行う。得られた成果は学会発表もしくは英字論文にして公開していく。
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