2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591729
|
Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
松田 健司 Wakayama Medical University, 医学部, 助教 (30398458)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
岩橋 誠 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70244738)
堀田 司 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (50244744)
中村 公紀 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (80364090)
尾島 敏康 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (60448785)
|
Keywords | 癌幹細胞 / WT1 / Niche |
Research Abstract |
最近、白血病研究より癌幹細胞の存在が提唱され始めた。固形癌においても同様な考え方が予想されていたが、最近になり、大腸癌においてもその存在がcolon cancer initiating cellとして報告されてくるようになった(Nature 2007, 445, 111-115)。従来、癌の治癒のためには完全に手術により腫瘍組織を摘出するか、化学療法などによってtotal cell killを行なうことが必要と考えられてきた。しかし、癌幹細胞の概念では、癌を根治するためにはすべての癌を根絶する必要はなく、癌幹細胞のみを殺傷すれば残りの腫瘍細胞は自然に寿命がきて死滅する可能性が示唆されている。従って癌幹細胞の頻度は低いが、強い免疫原性を有することが予想される。そこで、我々は癌幹細胞ワクチンの確立に向けて、幹細胞に対する免疫が惹起されうるのかを第一検討項目とした。以前より癌ワクチン療法の標的蛋白として注目されているWT1に着目して検討を行った。WT1は様々な癌に発現し、癌細胞の悪性形質維持に極めて重要な働きを行うことが報告されていて、癌幹細胞との関連性も強く示唆されている。日本人に多いHLA-A24のWT1拘束性ペプチド(CMTWNQMNL)を用いて癌患者血液よりCTLの誘導を試みた。方法はin vitroで樹状細胞を用いて誘導し、ペプチド特異的応答を検討した。CIR/A24株を用いて検討したところpeptide特異的な細胞障害活性を確認でき、少なくともWT1 peptideに対する応答は惹起し得ることが確認できた。現在、腫瘍細胞特異的反応について検討を行っている。
|