2011 Fiscal Year Annual Research Report
経内視鏡的細胞シート移植術の大腸ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)への応用
Project/Area Number |
21591735
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
大木 岳志 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (90307562)
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Keywords | 移植・再生医療 / 細胞シート工学 / 大腸癌 / 内視鏡外科 |
Research Abstract |
食道ESD後人工潰瘍の狭窄抑制効果を目的とした口腔粘膜上皮細胞シートの経内視鏡的移植術による再生医療的治療法の臨床応用の経験を基に、新たに細胞シート移植を大腸ESDへ応用することで術中穿孔の修復や遅延性穿孔のリスクを回避できるのではないかとの仮説を立て、大腸ESDに対する細胞シート治療の有用性の検証を目的として研究を開始した。 本年度の研究実施計画では(1)培養口腔粘膜上皮細胞シート移植のシール効果の検討(2)培養線維芽細胞シートの作製と経内視鏡的移植術手技の開発(3)培養口腔粘膜上皮細胞シートと培養線維芽細胞シート移植によるシール効果の比較を予定していた。神崎ら(Kanzaki M,Eur J Cardiothorac Surg,34,p864-869,2008)の培養法に準じ、線維芽細胞シート作製を試みたが、口腔粘膜上皮細胞シートの作製可能だったが、ミニブタでの線維芽細胞の増殖が不良であった。そのため培養系の確立したヒト培養口腔粘膜上皮細胞シートを用いて大腸ESD後の人工潰瘍にも移植しうるか内視鏡的形態学的評価と組織学的評価を行った。大形動物では前処置(下剤)投与が困難なため、いったん人工肛門をS状結腸に作製し、直腸EMR/ESDを行った人工潰瘍部位にヒト培養口腔粘膜上皮細胞シートの移植を行った。短時間での評価では移植部位にHE染色で細胞シートの移植を確認した。本実験では異種移植のため、長期では拒絶反応が懸念されるが、短時間であれば移植は可能であることが示唆された。本研究により食道だけでなく組織の異なる(扁平上皮と円柱上皮)大腸粘膜であっても、細胞シートの移植が可能であることが判明した。
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Research Products
(12 results)