2009 Fiscal Year Annual Research Report
急性膵炎後の膵再生機構の解明-膵転写因子ptf1aに着目して-
Project/Area Number |
21591771
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増井 俊彦 Kyoto University, 医学研究所, 助教 (20452352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 隆一郎 京都大学, 医学研究科, 非常勤講師 (20301236)
川口 義弥 京都大学, 医学研究科, 講師 (60359792)
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Keywords | 膵発生 / ptfla / 膵炎モデル / プロモータ解析 |
Research Abstract |
本年度は、膵炎後再生に対する解析の準備段階として膵転写因子ptflaのプロモーター解析および膵炎モデルの作成を中心に研究を行った。Ptflaのプロモーター解析では、in silico上で認められたptfla上流約13Kbpより2.3kbpに認められる種保存性の高い部位をBACクローンより切り出し、invitro, invivoにてPtflaによる制御を解析したところ、何れにおいてもPTF1三量体により正の制御を受けていることが明らかとなった。また、同部位の制御はE10.5より認められ、ptflaの発現開始時期、および部位が一致していることから、膵発生の当初よりptflaは自身のautoregulationを行っている可能性が示唆された。またChIPにおいても膵組織ではptfla自身が三量体を形成して同部位に結合していることが明らかとなった。 一方、ptfla低発現モデルとしてCBLマウスを使用し、caeruleinを負荷することで膵炎モデルの構築を試みた。CBL/creマウスは生後膵の低形成のため、成長も遅く通常量のcaerulein 50mg/kg投与による負荷ではほとんど全例が生存することができなかった。そのため、caerulein量の調節を行うことを考慮したが、caeruleinの投与量がwtマウスと変わると、対照とするwtマウスとの問で膵炎の強度の比較が困難となることが想定される。本CBLマウスは胎生期にすでにptflaが低発現になっており膵低形成を起こしていることが問題である。そこでptflaのノックアウト時期を調節できるfloxed ptflaマウスを使用し、adultでのptflaの発現をノックアウトしそれに膵炎を起こすことでこの問題をクリアすることとした。同マウスは当教室にて入手済みのため、現在同マウスを用いた実験に取りかかっているところである。次年度は発生段階においてptflaのプロモーター上で三量体のスイッチングを起こしていることを確認し、膵炎後膵再生における発生との類似性をptfla-creERマウスを用いて分子生物学的に解析する予定である。
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