2011 Fiscal Year Annual Research Report
悪性腫瘍における酸素代謝の解析と腫瘍酸素加による治療効果増強機構の解明
Project/Area Number |
21591824
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
堀之内 宏久 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (60173647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 光智 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10276272)
塚田 孝祐 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (00351883)
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Keywords | 癌 / 低酸素 / 腫瘍循環 / 血管新生 / 酸素拡散係 |
Research Abstract |
【目的】悪性腫瘍においては腫瘍増殖に血管系の発達が追い付かず、低酸素環境にあるため、治療の効果が抑制されるとされている。担癌動物での細動脈での酸素拡散を評価するとともに腫瘍における2次元的な酸素分布を観測し、腫瘍の酸素加を効率よく達成する方法を開発することを目的とした。 【方法】前年に開発した細動脈壁酸素拡散係数測定装置を用いた。BALB/cマウス背部皮下血管をDorsal window chamberを用いて観測し、内径40~90μの細動脈を対象とした。A:マウスに自然発生したMMT(Mouse manmarian tumor)を1)Window内に移植、2)左腋窩に移植し、細動脈壁の酸素拡散係数を測定した。B:腫瘍の酸素分圧の変化をマッピングするためにステップモーターを用いたステージを作成し、腫瘍内の酸素分圧の分布を計測した。 【結果】A:担癌動物の背部皮下の細動脈の酸素拡散係数は腫瘍の体積に応じて低下し、非担癌では5.3E-11+/-1.1E-11[(cm^2/s)(mlO_2/cm^<-3>tissue/mmHg^<-1>)](N=7)であったのに対して腫瘍体積が小さい場合は3.9E-11+/-0.4E-11[(cm^2/s)(mlo_2/cm^<-3>tissue/mmHg^<-1>)](N=5)腫瘍体積が大きい場合は3.1E-11+/-0.6E-11[(cm^2/s)(mlO_2/cm^<-3>tissue/mmHg^<-1>)](N=6)であり、担癌動物では非担癌状態の動物と比較して細動脈における酸素拡散係数が有意に減少していた。 B:腫瘍内の2次元的な酸素分圧の変化を測定するために1辺が1mm角の領域を100の領域に分けレーザー励起のパラジウムコプロポルフィリンの燐光の減衰による酸素分圧測定を行った。時間分解能が20秒/1imageであり、動的な変化を追跡するためには改良が必要であり、現在新たなステージ移動ソフトウェアの開発、及び酸素分圧測定法の改良が必要である。
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Research Products
(4 results)