2011 Fiscal Year Annual Research Report
組織誘導再生法を応用した難治性脊椎感染症に対する新しい治療法の開発
Project/Area Number |
21591889
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊東 学 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00271677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤澤 敏之 北海道立総合研究機構, 産業技術総合研究本部, 研究主幹 (80469692)
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Keywords | 整形外科 / 脊椎感染症 / 組織誘導再生法 |
Research Abstract |
平成22年度の研究結果を踏まえ、異種輸液中超音波処理により表面修飾水酸アパタイト(HAp)顆粒を作製し、生体模倣環境中で抗生物質の吸着徐放性に及ぼす微細構造の影響を検討した。HAp球状顆粒を輸液(アミノ酸(A-U)、糖質と電解質(A-D)、混合液(A-C))中で超音波処理し、A-U、A-D、A-C/HAp顆粒を作製した。室温乾燥では、球形状が保持、表層に輸液由来の付着凝集物が観察された。それらをセファメジン(CFZ)生理食塩水溶液へ添加、309.5Kで72h攪拌後、遠心分離、CFZ吸着量を測定した。A-C/HApのCFZ吸着量はHApより多少高い値になった。その乾燥顆粒を擬似体液へ浸漬攪拌後、CFZ徐放率を測定した。徐放率の序列はA-D/HAp、A-C/HAp、A-U/HApとなり、アミノ酸を吸着HAp表面の強いCFZの吸着強度が示唆された。更に、組織誘導による骨再生に適した足場材料として魚由来アパタイト/コラーゲン複合材料を作製し、微細構造と生体親和性・吸収性の関係を検討した。鮭骨の焼成、酸溶解によりアパタイト水溶液を、鮭皮の脱脂、酸抽出、消化、塩析、透析によりアテロコラーゲン水溶液を調製した。それらを所定比(H/C)で混合後、pH7.5-7.9で熟成、アパタイト/コラーゲン(HA-C)複合材料を合成した。H/C=3.5でHAp凝集粒子が、H/C=2でコラーゲンに配向した柱状HAp粒子が観察された。生物検定では、HA-C粉末をラット背部皮下組織内へ埋入2週後で、HAp微粒子内へ体液がよく浸透し、巨細胞浸潤が認められ、良好な生体吸収性が検証された。臨床応用の基盤となる感染巣の定量的評価法の確立に関して、FDG-PETを用いた感染重症度マッピングの作成を、8例の難治性脊椎感染患者で施行した。これらの内容は、平成24年度の国際学会や全国学会での講演に採択された。
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Research Products
(12 results)