2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591891
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高橋 和久 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20179477)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大鳥 精司 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (40361430)
|
Keywords | 腰痛 / 椎間板 / 感覚神経 |
Research Abstract |
我々は動物モデルで腰痛、膝関節痛、骨粗鬆症性疼痛を検討してきた(Ohtori et al.,Spine 1999-2007)。しかしながらin vivoでの動物モデルでは詳細な検討が出来ないことが明らかになった。そこで、ヒト、動物椎間板や滑膜、軟骨細胞、骨細胞と神経細胞の共培養での腰痛、関節痛の機序の解明を試みる実験を予定した。現段階でヒト慢性腰痛患者の椎間板から摘出した椎間板細胞との共培養は終了しており、他の組織でも十分可能であると考え施行した(Yamauchi et al., Spine 2009)。 1)ラット、マウス腰椎椎間板、滑膜、軟骨、骨、後根神経節、ヒト椎間板、滑膜、軟骨、骨を取り出し、混合培養した。 2)培養椎間板、滑膜、軟骨、骨に炎症性サイトカインであるtumor necrosis factor alpha(TNF alpha),IL-6を投与し、疼痛伝達物質(substance P,CGRP)、神経栄養因子(NGF,BDNF,NT-3)の増加を免疫組織学的手法、ELISAにて計測した。また椎間板、軟骨細胞が産生するプロテオグリカン量はDMMB法にて定量した。 3)活性化されたそれらの神経細胞の培養椎間板、滑膜、軟骨、破骨細胞への神経突起伸長度を検討した。細胞体のどの受容体が関与しているのかも検討した(p55,p75neurotrophic receptors,p55,p75TNF receptors,TrK A,TrK B)。 4)神経細胞における疼痛伝達物質(substanceP,CGRP)の増減について免疫組織学的手法、ELISAにて計測した。TNF alpha,IL-6を抑制するために、椎間板、滑膜、軟骨、破骨細胞へその産生阻害因子である、Nuclear Factor-kappa B decoy(Anges社.Osakaより提供済み)、リセドロネート(味の素より提供済み)を導入し効果を判定した。 以上より,疼痛には密接にサイトカインが関与していることが判明した.tumor necrosis factor alpha(TNF alpha),IL-6,NGF,BDNF,NT-3は特に強い関与を認めた.現在これらを抑制するためにその阻害剤をヒト臨書治験で完投中である.
|
Research Products
(1 results)