2009 Fiscal Year Annual Research Report
癌間質による前立腺癌幹細胞ニッチ形成機構の解明:癌間質標的療法へ向けた基礎的研究
Project/Area Number |
21592039
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
有馬 公伸 Mie University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10175995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽我 倫久人 三重大学, 医学部付属病院, 講師 (60332714)
石井 健一朗 三重大学, 大学院・地域イノベーション学研究科, 研究員 (90397513)
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Keywords | 前立腺癌 / ストローマ細胞 / 癌間質 / TGFβ / LNCaP / 3次元培養 / テネイシンC / αSMA |
Research Abstract |
本年度は、市販の正常ヒト前立腺ストローマ細胞PrSC(Lonza社)を出発材料として、TGFβにより分化誘導したTGFβ-treated PrSCと、アンドロゲン依存性ヒト前立腺癌細胞株LNCaPと共培養したLNCaP-treated PrSCの性状を比較した。 【検討1】TGFβ-treated PrSCの細胞増殖はTGFβの濃度依存的に低下したが、癌細胞と3日間、チャンバー内で共培養したLNCaP-treated PrSCの細胞増殖は有意に増加した。 【検討2】TGFβ-treated PrSCでは、コラーゲン、テネイシンC、αSMA mRNAの発現上昇を認めた。一方、LNCaP-treated PrSCではコラーゲン、テネイシンC mRNAのみが発現上昇しており、αSMA mRNAの発現量に差は認められなかった。 【検討3】良性ヒト前立腺上皮細胞由来TA2を用いたマトリゲル内での3次元培養では、LNCaP-treated PrSCの培養上清を添加することで、TA2細胞の過増殖とEMT様のdysmorphic structureを形成した。 これまで癌間質を構成する主要な細胞は、発生過程や傷の修復過程に出現するテネイシンC陽性の筋線維芽細胞と考えられてきた。しかし、本検討において、LNCaPとの共培養でPrSCが獲得した癌間質様の性状は、TGFβにより分化誘導した筋線維芽細胞様のPrSCと完全に一致しなかった。つまり、癌細胞からの刺激を受けたLNCaP-treated PrSCは正常な分化誘導で作られる筋線維芽細胞とは似て非なるもの、ということが判明した。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] A new therapeutic strategy for targeting tumor stroma in hormone-refractory prostate cancer cell growth under androgen ablation therapy2009
Author(s)
Ishii K, Imamura T, Iguchi K, Arase S, Yoshio Y, Hori Y, Arima K, Hirano K, Sugimura Y.
Organizer
The 2009 American Urological Association (AUA) Annual Meeting
Place of Presentation
Chicago, IL, USA
Year and Date
20090425-20090430