2009 Fiscal Year Annual Research Report
ホルモン不応性前立腺癌におけるガラクトース結合レクチンの腫瘍制御機構の解明
Project/Area Number |
21592048
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
福森 知治 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (10314874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金山 博臣 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10214446)
高橋 正幸 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50325255)
中逵 弘能 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (50437638)
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Keywords | 前立腺癌 / ガレクチンー3 / ホルモン不応性 / ホルモン受容体 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
ガレクチン-3はガラクトース結合レクチンの1つで、細胞の増殖、血管新生、アポトーシス調節等に関与し、癌の浸潤・転移に重要な分子の1つであることが示唆されている。われわれは、ホルモン不応性前立腺癌細胞株のPC-3、DU145でガレクチン-3が強発現し、ホルモン感受性前立腺癌細胞株のLNCaPでは発現していないことを見出しているが、ヒト検体におけるガレクチン-3の発現の評価は十分できていない。今回、2例のホルモン不応性前立腺癌と2例のホルモン感受性前立腺癌の摘出標本でガレクチン-3の発現をreal-time PCR法で検討し、ホルモン不応性前立腺癌ではホルモン感受性前立腺癌よりガレクチン-3が約1.7倍強発現していることを見いだした。さらに免疫染色ではガレクチン-3は主に細胞質に局在していることも見いだした。 ホルモン不応性前立腺癌に対して、ガレクチン-3がホルモン耐性の獲得および抗がん剤、放射線治療抵抗性の獲得にいかに関与しているかを検討するために、siRNAを使用して、ガレクチン-3強発現細胞株(PC3およびDU145)からガレクチン-3をノックアウトし、ガレクチン-3の発現が10分の1以下に抑えられた細胞株を構築した。現在、ガレクチン-3を発現していないホルモン感受性株(LNCaP)のガレクチン-3発現細胞株を構築しており、今後、これらの細胞株におけるアンドロゲンレセプター、グルココルチコイドレセプターの発現への影響、血管新生、アポトーシスへの影響を評価する予定である。さらに、放射線照射やシスプラチン、ジェムシタビン、タキサン系抗がん剤による化学療法の際の、血管新生、アポトーシスへのガレクチン-3の有無による影響をin vitroで評価し、カスパーゼ、ミトコンドリア関連分子、ミトコンドリア膜の安定化、MAPキナーゼ等への影響についても分子生物学的に解析する予定である。
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Research Products
(10 results)