2011 Fiscal Year Annual Research Report
ホルモン不応性前立腺癌におけるガラクトース結合レクチンの腫瘍制御機構の解明
Project/Area Number |
21592048
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
福森 知治 徳島大学, 病院, 講師 (10314874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金山 博臣 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10214446)
高橋 正幸 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (50325255)
中逵 弘能 徳島大学, 病院, 助教 (50437638)
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Keywords | 前立腺癌 / ガレクチン-3 / ホルモン不応性 / ホルモン受容体 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
ガレクチン-3を強発現しているホルモン不応性前立腺癌細胞株のpc-3に対して、siRNAを使用してガレクチン-3をノックアウトし、ガレクチン-3の発現が約10分の1以下に抑えられた細胞株を構築し、ホルモン不応性前立腺癌に対するホルモン耐性の獲得および抗がん剤、放射線治療抵抗性の獲得へのガレクチン-3の関与を検討した。その結果、 1.ガレクチン-3強発現細胞(PC3)ではガレクチン-3をノックアウト細胞と比較してアンドロゲンレセプター、グルココルチコイドレセプターの発現が低い傾向があること 2.ガレクチン-3強発現細胞ではシスプラチンにより誘導されるアポトーシスに有意に抵抗性であること(sub G1期の割合が11.2%vs45.5%) 3.ガレクチン-3強発現細胞ではシスプラチン投与時にミトコンドリア膜が安定化され、カスパーゼ3の活性が抑制されることを見いだした。 ミトコンドリア関連分子(Bcl-2、Bax)およびMAPK、Aktの発現およびリン酸化の程度には有意差を認めなかった。さらに、ガレクチンー3強発現細胞(PC3)では放射線照射により誘導されるアポトーシスに対してカスパーゼ3の活性を抑制することで抵抗性を示す傾向があった。これらの結果より、ホルモン不応性前立腺癌細胞において、ガレクチン-3は抗がん剤の耐性に関与し、ホルモン不応性および放射線治療抵抗性に影響を及ぼしていることが示唆された。本研究の結果より、ガレクチンー3をターゲットとした遺伝子治療の可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)